編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.590 2015.04.20 掲載
    第53号
  ★画像はクリックすると拡大できます
第53号「朴(ほお)
号名  「朴」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 平成3年(1990年)4月15日
頒布方法  定価300円
表紙 イラスト
 「昔の池上線電車を背に久が原古墳出土の土器をもつ女性と千鳥町のアメリカ人男性の絵」
表紙作成者
イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
.1 わが街シリーズ 久が原・千鳥町特集
  
2. 第3回『とうよこ沿線』ナイトウォーク 誌上実況中継
  完歩者氏名全員掲載!

    
    表紙の裏ばなし     畑田国男(漫画家) 

 

改めて調べてみると、久が原は土の中にある文化財の宝庫、数々の遺跡が残っているのを知って驚いた。画面の女性が手にしているのは弥生時代の「久ケ原式土器」のつもりである。
  ヤヨイさんの土器にバラを捧げようという男性は、千鳥町のライオグランデ大学日本校の学生さん。将来はバイリンガルをめざす親日家のアメリカ人。
 原始、古代日本の歴史と先端の国際文化、二つのカルチャーが溶け合っているところが、高級住宅地、久が原・千鳥町の魅力の奥深さであろう。

そして横を走るのが、あの懐かしの、緑のイモ虫電車。正式には「デハ3450形制御電動電車」という。
  歌謡曲ファンではなくても、西島三重子の『池上線』という歌をこ記憶の方は多いはず。

♪すきま風にふるえながら いくつ駅を過ぎたのか

  という歌詞が示すように、池上線には恋を失って白いハンカチを握りしめる若い女性の感傷と、青春のロ−カル電車のイメージが交錯している。池上線沿線のスナックには、この歌の上手なお客さんが大勢いらっしゃる。いや、本当にいい歌だと思う。

 池上線は東横線の姉妹線。東横線にも「歌」が欲しいですネ、と岩田編集長と盛り上がる春の宵。

 号名「朴」とは…   

昔から民俗行事にも広く用いられているホオノキは、高さ25bにも達するモクレン科の落葉高木。枝はやや太めで、先に楕円形の大きな葉が車輪状に集まる。枝端に直径15aもある大きな白い花が咲くのは5月〜6月。

大きな葉は昔から食物を盛ったり包んだりして利用し、現代では味噌を乗せて焼く“朴葉味噌”は居酒屋などで好評だ。

材は良質で、用途は昔の学生の「朴歯の下駄」に限らず多岐にわたる。建具、漆器木地、鉛筆、マッチの軸など、材として街で活かされている。
             
(木村敦夫)







朴の樹形

新宿御苑で上下の写真を撮影:岩田忠利




落葉樹の中で葉と花が最大。直径15a朴の花
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る