実は、親父の会社(小さな町工場)が「矢口渡」にあったので、この付近には、思い入れがある。学生の頃、工場のプレスをガチャガチャやって、アルバイトをしていたことも……。
目蒲線っていうのは、実にドラマチックな「人生路線」だと思う。
目黒あたりは、商業地。奥沢あたりは住宅地。矢口渡あたりは工業地。大商店街、高級住宅地、町工場の3地区をブーメランのような軌跡て走り、盛り場・蒲田へ舞い戻る。
東急としては珍しく、力強さ、渋さ、汗くささをもちながら、なお、一部に栄光の田園調布をもっている、目蒲線。
その昔。多摩川、矢口の渡しは、隅田川の渡しとは格が下だったはずである。でも今は、そして、これからは、光は西へ。川は隅田川ではなくて、多摩川の時代である。
渡し船のイラストは、葛飾北斎の元絵は隅田川の渡しだが、これをより粋に、より明るく、多摩川に移し替えたものである。
味わいのある町並み、商店街、休日の午後、ぶらりと目蒲線に乗ってミニトリップするのも、また楽し。「鵜の木」あたりには、本物の鵜もいるという。
ぜひ、鵜・ウォッチングをウノキで、プリーズ!
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