編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.585 2015.04.19 掲載
    第48号
第48号「楮(こうぞ)
号名  「楮」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 平成元年(1989年)10月10日
頒布方法 定価改定 定価300円
表紙 写真とイラストの合成
 「サレジオ教会の前に新郎新婦と神父の絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(銀行員 祐天寺)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
.   わが街シリーズ
   学芸大学とその周辺特集

    
    表紙の裏ばなし     畑田国男(漫画家 

 サッチャー首相など、国賓がひとときのショッピングを楽しまれるのは、今やここ碑文谷のダイエーです。

周辺には、国宝円融寺、碑文谷八幡宮、スズメのお宿、清水池公園と、名所も沢山あります。環七の内側の東京で幹線・目黒通りのすぐ脇にして、この静かさ。学校の数も多い文教地区。というのは、この地区には歴史的に名主や大地主のお屋敷が残っているからでしょう。そして、このサレジオ教会が現在の碑文谷のランドマークです。

ヨハン・ペトラッコ神父(68歳)は、20年間サレジオ高校の校長を務められました。今年で来日50年を迎えるガンコ一徹の司祭。そして宣教の師であります。

あの歌手と俳優の有名人男女二人の挙式以来すっかりお馴染みになったサレジオ教会ですが、ヨハン神父は「教会=結婚式をする所」のイメージに困惑の体。「隣近所のおつき合いが少ない。もっと地元の人同士の触れ合いをはからなければ……」。ゆったリスペースの生んだゼイタクな皮肉でしょうか。

僕は教会隣の目黒星美学園の2年生の美しい少女を知っています。「(校舎の)屋上から見ると緑がいっぱい。鳥の声も聞こえてとてもイイ街なの」。スズメがいます。ハトも来ます。教会で毎日お祈りを捧げる天使もこの街にはいるのです。

 号名「楮」とは…   

コウゾ(楮)はクワ科の落葉低木。樹皮の繊維が非常に強いのが特徴。そのため古くから和紙や紙幣の素材として、また壁紙・襖・障子紙などに使われ、主に西日本地方で栽培されていました。

 しかし製紙材の多様化や諸外国からのパルプ材の輸入で楮の利用が減って野生化し、いまは本州・四国・九州などの山地に自生しています。

樹形は株立ち型、葉が卵型、いずれもクワ科だけに桑の樹形や葉にそっくり。

本号の特集地が「学芸大学」というアカデミックな雰囲気のある街にちなみ、“学問=本=紙”と切っても切れないゆかりの木、楮を号名としました。
              (岩田忠利)



県立四季の森公園で咲く、楮の花

撮影:石川佐智子さん(日吉)
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る