一昨年、多摩川畔の世田谷区・野毛のレストランで食事をしているときのことです。ふと、我が家のある対岸、武蔵小杉のほうに目をやると、なんとバカデカイお椀を伏せたような建物。もしかして宇宙人の基地では? と心配したりして……。
後でこれが、建設中の川崎の文化の殿堂「市民ミュージアム」であることが分かり、そのオープンの昨年11月、さっそく足を運んでみました。
まず驚いたのは、やはりその巨大さ。中原区等々力緑地に3階建てで総床面積1万500平方㍍。つぎに歴史・民俗・考古から現代美術に至るまで各ジャンルが川崎市を中心にした文化創造の流れを見事なレイアウトで展示していることです。
ここの基本テーマが「都市と人間」だなんて、お役所的発想のコピー。これが堅苦しく、親しみをもてないのがちょっと残念ですね。
私がお勧めするのは、ぐっとリラックスして「グラフィック・写真・漫画展示」コーナー。
なんと、ここで本誌表紙絵の作者、畑田国男先生の作品が大写しのパネルで見られるのです。偶然道端で親友に会ったようで、思わずこちらの口元がゆるんでしまいます。
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