編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.583 2015.04.18 掲載
    第46号
  ★画像はクリックすると拡大できます
第46号「栂(つが)
号名  「栂」
サイズ B5判
紙数 76ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 平成元年(1989年)4月1日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
 「鶴見川と自転車の少女と釣り人の絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(銀行員 祐天寺)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
.   わが街シリーズ
   綱島とその周辺特集(51頁)

    
    表紙の裏ばなし     佐藤由美子(日吉 主婦) 

 

♪は−るの うら〜らの 鶴見川〜

いやぁ、春ですねぇ。鶴見川の土手を散歩しながら、私もついウトウトと。

綱島の顔といったら何といっても鶴見川。ゆったりとしたその流れは、四季を通じて沿線住民の心の安らぎです。
  夏の花火大会の賑わいもさることながら、厳しい寒さ、冬枯れの草がいっぺんに芽ぶく早春の季節も、また格別なものです。

ヨモギを摘んで草餅を作るというおばあちゃんに、綱島が昔、温泉街として栄えた頃のお話を聞きました。当時は、お土産や温泉旅館、芸者さんたちも沢山いて、大綱橋からの眺めを楽しんだそうです。さぞかし華やかだったことでしょう。しばし、懐古気分に浸るひととき……。

「ジリリリリリリン、チリ、チリン」目の覚めるようなベルの音とともに、突然現れた少女。白と紺の制服姿も初々しい彼女は、バスケットにいっぱい詰めた春を運んでどこへゆくのだろう。春陽炎のゆれる午後、うたた寝をしながら釣りを楽しむ青年、澄んだ空に飛ぶユリカモメを春風に乗せて……。
  もちろん、晴れた空に東横線、急行「桜木町行」も見えます。

 号名「栂」とは…   

 

栂の林を爽やかな風が吹き抜ける。栂は、本州中部の山地から鹿児島県・屋久島に分布する常緑高木。高さ25bにも達し、純林を形成する。4月咲く小さい花は、秋2aほどの実を結び、材は主に建築・パルプ材になる。

 常緑木は、他の落葉木が青々と茂る初夏、人知れず落葉しその瑞々しさを保つ。一年中休まずがんばる母親のような存在の、いわば小休止。
 大地にしっかりと根ざし、ゆったりと枝を広げる姿は、母の姿にも似て、我々の心に安らぎを与える。初夏、栂の林が揺らぐ。もう、母の日も近い。
          佐藤由美子
(主婦 日吉)



栗林公園(香川県高松市)の栂の大木
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る