編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.582 2015.04.18 掲載
    第45号
第45号「<蜜>(みかん)
号名  「<蜜>柑」
サイズ B5判
紙数 76ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 昭和63年(1988年)12月20日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
 「大倉山記念館前に商業の神ヘルメスと和服女性の絵」
表紙作成者 写真:杉村理一(上野毛)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
.   わが街シリーズ
   大倉山特集(51頁)

    
    表紙の裏ばなし       畑田国男 

 

無数の蛇を髪の毛にもったゴルゴン3姉妹――。天(あま)駆けるペガサス。
  ギリシャ神話で育ったような私にとって、東横線に乗り大倉山付近で遠くに臨むギリシャ神殿風のこの記念館は、少年の日の夢でした。

大倉山記念館。外観はギリシャの様式でありながら、内部は東洋風の木組みです。こんなところに、東西文化の融合を見ることもできます。

25年前、この山に初めてやってきた時、「パルテノンの丘」だと思っていた大倉山が極めて日本的な「梅林の丘」だと知って、ショックを受けました。
  東西文化の融合、ショック!! です。

ですから、近頃、大倉山の商店街がギリシャ風に「変身」したからといって、私は少しも驚きません。アテネのエルム通りと姉妹通りの提携を結んだなんて、素晴しいじゃあ、ありませんか。
  エルムとは商業の神・ヘルメス(イラスト左側)のことで、この方は同時に著述家の神様でもありました。

東京のホトンドの街がアメリカ風になっている今、欧米文化の源、ギリシャに目をつけた大倉山の人々はスゴイ。ギリシャ・ファンの著述家は、心から今回の「変身」に敬服しています。

 号名「<蜜>柑」とは…   

 

蜜柑はヘシルーダ科の常緑小喬木、東南アジア原産。高さ約3メートルに達し、6月頃、白色5弁の花を開く。愛媛県の県花である。

冬といえば蜜柑を連想するほど私たちにはなじみ深く、その実はほのぼのと温かく庶民的だ。
 お正月、鏡餅に供えて目に鮮やか、湯船に浮かべて香りを楽しみ、コタツに入ってのんびり味わう。

この季節、大倉山のギリシャ風の店構えにイメージチェンジした果物屋さんの店先にも、かわいい蜜柑が顔を並べて微笑んでいることだろう。
         (元住吉 高橋かすみ)



 わが家の蜜柑の木は4月に可憐な花を咲かせました

      撮影:八城幸子さん(港北区新吉田町)

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