編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.581 2015.04.18 掲載
    第44号
第44号「楸(ひさぎ
号名  「楸」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 昭和63年(1988年)11月10日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
 「東調布公園のD51をバックに横綱大鵬と雪村いづみの絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(銀行員 祐天寺)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
. わが街シリーズ
   雪谷特集(43頁)
   石川台駅周辺も

    
    表紙の裏ばなし       畑田国男 

  

 雪ケ谷八幡神社の境内には、元横綱大鵬の手形と名前がきざまれた「出世石」がある。

二所関部屋後援会会長、大北氏の住まいと工場が東雪谷にあったご縁から、だ。若い人たちは出世を願って、この石に触ってゆく。

東調布公園には、野球場・プール・サイクリングコースと様々なスポーツ施設が整っているが、ひときわ目をひくのが、D51428の汽車だろう。
   このデゴイチは昭和11年から20年にかけて、東北地方を延べ214万キロも走ってきたという。この距離は、地球54周分に相当するらしい。D51も、すっかり、ご隠居というわけだが、公園をおとずれる子供の、一番の人気者なのである。

 デゴイチの近くにはコンコンといづみが湧き出しており、これも区民たちの心をなごましてくれる。「思い出のワルツ」で有名な、あの雪村いづみはデビュー当時、この近所に住んでいた。雪ケ谷村のいづみのそばから巣立ってあの芸名になったというのは、沿線秘話の一つかもしれない。

  「いづみ、大鵬、D51」。うん、巨人・大鵬・卵焼きよりも、気品があるネ。

 号名「楸」とは…   

 

「木偏に秋」と書いてヒサギ。アカメガシワの古名である。新芽が紅く美しいことから名づけられたという。

日向に生えて、6月頃花びらのない淡黄色の小花が集まって咲く。実は小さいが、種は赤色染料にも利用される。

昔は、植物を載せて神仏に供えたもので、サイモリバ(菜盛葉)、ゴサイバ(御菜葉)とも呼ばれる由緒ある樹木である。

しかし、何といってもこの木の特徴は、紅葉の美しさである。栽培されるナンキンハゼは、秋に花屋の店頭を飾り、山間のシラキの葉はしばし旅人の目を奪う。

緑の多い住宅地、雪谷の街。朝夕冷え込むこの季節に、秋の紅は日ごとに映え、秋の深まりを感じさせる今日この頃である。(日吉 佐藤由美子)



ヒサギ、別名アカメガシワ(赤芽柏)の若葉と蕾

撮影:守谷明子さん
(港北区新吉田町)





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