編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.579 2015.04.18 掲載
    第42号
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第42号「杉
号名  「杉」
サイズ B5判
紙数 68ページ+8ページ(厚紙の「百選会」店名」・本誌販売先イラストッマップ付き)
発行日 昭和63年(1988年)2月15日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
 「等々力渓谷の写真と行者と若い女性のの絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(学生 祐天寺)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
特集
 
特集 
. わが街シリーズ
   大岡山とその周辺特集(42頁)
    緑が丘・洗足・北千束も

    表紙の裏ばなし       畑田国男 

 

遠くて近きは男女の仲。
  近くて遠きは、東工大への道。

目と鼻の先に住んでいながら、東工大は東大以上の難関で、縁がなかった。女子学生もホトンドおらず、同じ町にありながら、ボクにとっては遠い存在で、1年に1度お花見の時だけキャンパスに入れていただく桜の名所に過ぎなかった。

ところで昨秋、異形のビル・百年記念館のオープンとともに、ビル愛好家のボクと、東工大の二人の仲はグーンと接近したのである。東工大もイキなことをやる。

80年ぶりの春の大雪は、構内の八分咲きの桜の幹を沢山折り、その多くが商店街に提供され、わが町の緑は、しばし桜色に艶(なま)めいた。

新婚の宮崎 緑さんの非常勤講師の登用とあいまって、88年の東工大は、知性に美と艶を兼ね備え、心をときめかす、身近かな大学になったのだ。

  追伸 東工大南2号館横のイチョウの木に、毎朝毎晩、無数のダルマインコが集まって、大岡山の名所になっている。このインコを表紙に登場させたが、ヒッチコック、ご存命ならば是非ご覧にいれたかった。

 号名「杉」とは…   

 

杉は日本特産の針葉高木。秋田杉などが有名――と言うよりも最近は、あの花粉症のアレルゲンの一つとしてかわいそうに悪名高い。

生長が早くてすぐ大木になるため昔から重要な建材として広く植樹されてきた杉。だが近年は輸入木材が安価なことや建材の変化などにより林業経営が悪化し、杉林は手入れもされず放置されている。花粉症の原因はこうして増えた花粉と車の排気ガスらしい。
  こんな話を聞くと、花粉症は人間の身勝手な結果で、杉の仕返しのような気さえする。

まっすぐ高く伸びた杉の美しさ。子供のころ杉玉鉄砲で遊んだことも懐かしい。

今号の特集地、大岡山のある目黒区は都内でも比較的緑が多く残る地域だ。
 自然との共存を考える、とまではいかなくとも、身近な自然をもう一度見つめるだけでも今の私たちには大切なことに思える。 
(東白楽 石川映子)



国指定天然記念物 中川の箒杉

推定樹齢2000年。樹高約45m 幹周り約12m
撮影:石川佐智子さん(日吉)





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