編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.574 2015.04.12 掲載
    第37号
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第37号「柚(ゆず)
号名  「柚」
サイズ B5判
紙数 76ページ
発行日 昭和62年(1987年)3月10日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
 「菊名池と入学式に向かう母と子の絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(学生 祐天寺)

イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
デスクキャップ
斉藤(現・高橋)かすみ(会社員  向河原)

 サブ: 井道由美(元住吉)       
特集
 
特集 わが街シリーズ 菊名・妙蓮寺編(全44頁)

  
    表紙の裏ばなし       一色隆徳 

春です。今号の表紙絵は、満開の桜の下での入学式がテーマ。今年はかなりの暖冬で、春の到来もことのほか早かったように思われますが、はかなく散ってしまう桜の花も、せめて入学式までは咲いていてほしいものです。

表紙写真の舞台となっているのは、妙蓮寺駅近くの菊名池公園。かつては潅漑用水として地域に貢献した菊名池も、戦後、付近の宅地化による生活排水の流入によって汚され、面積の半分以上は埋めたてられてしまいました。

現在の池は悪臭を発し、無数のゴミの浮く、ひどいありさま。妙蓮寺と並ぶ、地域の象徴的な場所であり、市民の憩いの場なのですから、やはり浄化努力を行政当局に望みたいものです。

例えば、@市営プールに冬場はってある水による池の水の入れ替え

Aヘドロ浚渫(しゅんせつ)

B水溶酸素を増やすための水生植物(ホテイアオイ等)の導入

C雨水の流入促進

などてす。このほか住民有志によるゴミ拾いなど、小さな力で行えることもあるはずです。

一般に自然と開発は相反しますが、自然と生活空間が共有してこそ、素晴しい街づくりがなされるものだと思います。

 号名「柚」とは…   

「柚」といえば、ゆず湯、吸い物、薬味など、あの独特な香りを思い浮かべる人が多いと思う。そのため、柚の木自体よりもあの黄色い実のイメージでとらえられてしまい、どんな木でどんな花が咲くか、などよく知られていないのではないか。

ちなみに、柚の木は高さ約3b、枝や葉の付け根に鋭く尖ったトゲが多く、刺さると飛び上るほど痛い。夏に白い小花が咲き、その後、実がなる。             (日吉・福井 勉)



お馴染みの柚の実

撮影:石川佐智子さん(日吉

暮らしを豊かにするものを
         思い出させる街

 第37号“柚”デスクキャップ
         斉藤かすみ(青葉台・会社員)



斉藤かすみ

 確か『とうよこ沿線』って隔月発行だったよね、なんて首をかしげている方も多いはず。

36号渋谷特集が出てから2カ月以上も経っているのですから…‥。どうもお待たせしました。そして、読者の方々、今号にご協力してくださった方々に、誌面を借りてお詫びいたします。
 そもそも、この特集を始めたのが昨年の夏。代官山・渋谷号と並行して活動を開始したものの、年末・年始をはさみ、遅々として進まぬ状態に、なんとも対処できなかったことは、心苦しい限りです。

   街づくりに問題提起の誌面

 今号は、特に菊名・妙蓮寺の商店街を見つめ直しては? と問題を投げかける誌面に住民の皆さまの要望を取材し掲載、また商店街の店主の誌上座談会を主催し載せました。

住民の皆さんが街づくりについて、個々に考えていても、全体として調和しなければ、良い街づくりは進められません。その街づくりの一助に、この『とうよこ沿線』が成り得ることこそ、本誌の狙いだったはず、と実感しています。
 近年、土地の高騰で、住みたいところにも住めないという状況です。その街を愛する人こそ、住民の資格があるのでは、とちょっと疑問に思う今日この頃でもあります。
 妙蓮寺にある会社に勤務していた私は、昨年10月、会社の事情で転勤となりました。1年半通い続けた妙蓮寺駅から、田園都市線青葉台駅の方へ移ったのです。




妙蓮寺を離れ、思うように活動できず、はがゆい思いもしました。知らなかった一面を発見し、うれしい反面、離れてしまった淋しさも隠せません。

 歌人・斎藤茂吉は
   妙蓮寺を読んだ歌が20首も

 代官山や渋谷とは異なり、派手さはないのですが、日々の暮らしで見逃しがちな古いものの良さ、自然の大切さ、本当に暮らしを豊かにしてくれるものを思い出させる街です。

斉藤茂吉が妙蓮寺を50年前に訪れ、20首もの歌を詠んだということは、あまり知られていません。これも本号の見どころの−つ。また、藤本農園や桜並木、春の散策・花見に最適なコース、夏の菊名池プールなど名所がたくさんあります。
 菊名・妙蓮寺以外の方も、本号を片手に、ぜひ一度、これらの駅に降りたって欲しいと思います。そして、皆さんが、また新たに自分だけの発見をしてくれる、そんな号になっていれば幸いです。デスクキャップ・斉藤かすみ


本当に人との出会いって、いいものですね。初めて特集スタッフに入って、活動して実感しています。いろいろと取材ご協力の地域の皆さま、スタッフの皆さま、心温かい御指導、ありがとうございました。(本号サブキャップ・井道由美)

本号が「日吉4-4-17」の最終回

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