編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
 NO.570 2015.04.11 掲載
    第33号
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第33号「柳(やなぎ)
号名  「柳 or 楊」
サイズ B5判
紙数 76ページ
発行日 昭和61年(1986年)5月1日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
「東急元住吉電車区と法政大・江川卓投手の絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(学生 祐天寺)
イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
デスクキャップ
石野英夫(会社嘱託 元住吉) サブ:大塚健嗣(武蔵小杉)         
特集
 
特集 わが街シリーズ 元住吉編(全39頁)

  
      表紙の裏ばなし      一色隆徳

今号の特集地・元住吉は、東横線の両端・渋谷と桜木町、いずれからも11駅目。東横線における中間点です。

読者の皆さんの多くは、私と同様にこの地域住民ではないと思いますが、「元住吉」と聞いて連想するのは、「元住吉止まり・始発の電車」あるいは「終電車」といった、ここに東横線唯一の車輛基地(電車区・検車区)があるゆえに生じるものが多いはずです。

今回の表紙写真は深夜の電車区。いわば私たちの東横線電車の休眠風景です。
  施設は東急の私有地内ということで、隣接する道路より勝手に撮ったものですが、これほどに鉄道が親しまれ、公共的であるという事実をもって、勘弁していただきたいと思います。

さて、畑田国男さん描くところの表紙絵、今回はご存じ、江川卓投手の登場です。法政大のユニフォームを着て、木月大町グラウンドで育ったともいえる同投手、近年不調とはいえ、やはり巨人軍の工−スには違いありません。アンチ巨人軍の会「嫌巨会」を主宰する畑田さんには申し訳ないのですが、今季は大活躍を、と期待したいと思います。

ところで、これまで挙げた電車区にせよ法政大にせよ、元住吉の特徴に違いはないのですが、地域住民にとって、もっと身近で親しまれているのは、表紙にも描かれているような明るく賑やかな商店街ではないでしょうか。先日、『テレビ神奈川』が本誌を取材した折、スタッフと元住吉へ同行したレポーター・高橋基子さんも、「安い」「楽しい」と絶賛。この街で随分と買物を楽しまれたようです。

地域外の人にとっても魅力的な街・元住吉。以前、元住吉在住の知人が、「この街を一語で言うならば住みよし≠セねぇ」と言っていたのが思い出されます。



駅付近を流れる、桜咲く渋川
「沿線の河川 渋川編」もご覧ください。
 号名「柳」とは…   

春です。
 吹く風も暖かくなり、過ごしやすい日が多くなってきました。

今号の“柳”は、♪柳 芽をふく――と歌われるように春にふさわしい樹木ですね。

柳は、<柳の下にドジョウ>なんて言われるように水辺に多い落葉高木で、育ちが早い。一般に、春の柳をさすことが多いのです。

柳といえば、柳行李(やなぎこうり)を思い浮かべる人もいるでしょう。杞柳の枝を編んで作った行李、つまり衣類入れのことです。若い皆さんは、ご存知でしょうか。また、箱柳(はこやなぎ)――(白楊とも書く)というものもあります。

柳が風に揺られ相打つ音が、山に響き渡ることから、「山鳴らし」とも言われています。
        (武蔵小杉・大塚健嗣)




綱島街道沿い、東住吉小学校の枝垂れ柳の大木

撮影:岩田忠利


 元住吉から愛をこめて

  第33号“柳”デスクキャップ
  石野英夫(元住吉・会社嘱託)

  第33号“柳”サブキャップ
  大塚健嗣(武蔵小杉・日大4年)



左:石野英夫 右:大塚健嗣

 ――本を作って売ることの難しさ

編集長から「本号のデスクキャップを」といわれた時、「私もついに洗礼をうけるか」と思った。
 それに折あしく、以前勤めていた会社の業務日程と重なり土・日しか動けず、体が3つも欲しいと思った。しかし、サブの大塚君やスタッフの皆さんの努力でここまで漕ぎ着けたのは幸いである。

 出来上がったものを見るのは易しいが、作るということは難しいものだ。物を右から左へ流す小売業よりも、物を作るメーカーは資金面でも大変だろうナ、と思った。
 『とうよこ沿線』は、モノを作って売るのだから、苦労はその何倍も伴うものだと本号の体験で知った。
  風薫る初夏、33号は店頭で柳のように揺れていることだろう。(石野英夫)


――誇りを感じたテレビ取材

 本号のサブキャップを、と編集長からの命。果たして、自分にこんな“大役〃ができるだろうか、とても不安でした。

 最初は、なにがなんだかわからぬうちに、元住吉の街を歩いていたのですが、行けば行くほど、我が街のように思えてきました。
 本号編集中にたまたま元住吉を舞台にしてテレビ神奈川制作番組『水曜特集・ハイ! こちらタウン誌編集室』の取材があり、編集室の模様が紹介されました。それはスタッフの一人であることに誇りを感じ、本を作っている一員であるんだなと実感しました。

 読者の皆さんも、本号を持って、元住吉を歩いてみてはどうでしょう。きっと、新しい元住吉を見つけるはずですよ。(大塚健嗣)


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