編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.568 2015.04.10 掲載
    第31号

                                    編集 岩田忠利

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第31号「樅(もみ)
号名 第1回NTTタウン誌大賞受賞 記念号 「樅」
サイズ B5判
紙数 764ページ
発行日 昭和60年(1985年)12月1日
頒布方法 定価200円
表紙 写真とイラストの合成
「横浜港の夜景と晴れ姿の少女・鯨・虎の絵」
表紙作成者 写真:一色隆徳(学生 祐天寺)
イラスト・畑田国男(漫画家 緑が丘)
デスクキャップ 不在          
特集
1. 
特集 わが街シリーズ みなと横浜編

2. 第1回NTTタウン誌大賞受賞 
  沿線在住各界の皆様からお祝いのお言葉

  
      表紙の裏ばなし     一色隆徳

  今号の地域特集は「みなと横浜」です。駅でいうならば、東横線南端の高島町・桜木町、そして根岸線の関内・石川町といったところでしょうか。

開港以来、多くの異文化を上陸させ、それ故に教会等を中心とする西洋文化を吸収したエキゾチックな街として、元町や伊勢佐木町を中心とするファッショナブルな街として、中華街に代表されるテイスティ≠ネ街として人気があり、また県市庁など官公庁を中心とする県市の中核地でもあります。

しかしながら、私がイメーシする横浜とは、やはり、ベイ・エリアてす。それは「豪華客船が停泊する大桟橋」とか「みなとみらい21計画地」などといったものとしてのそれではなく、新港埠頭や山下埠頭などに見られるような「倉庫街の錆ついたレール」「ひび割れた岸壁」等の、どこか寂れ、薄汚れた風景なのです。

人は孤独を楽しむことができますし、同様に男もしばしば女性よりも感傷的になれるようです。このことは港を舞台にした映画や歌などが人々に好まれることに表れています。

さて、今回の表紙は、まさに♪よこはま・たそがれ・ホテルの屋上…? という状況での撮影となりました。山下公園前のザ・ホテルヨコハマ屋上からの俯瞰で、手前に山下公園・大桟橋、左に新港埠頭、違方に東神奈川・小安方面を望む構図です。
 肉眼で見たみなと横浜の夕夜景はドラマチックでした。

絵の方は、私の高校の大先輩でもある、おなじみの漫画家・畑田国男先生の作。もう間近に迫った新年に因んだもので、じっくり眺めて楽しみたい絵ですね。特に地元・大洋ホ工−ルズのファンの方や阪神ファンの方は……。
 最後に、ザ・ホテル・ヨコハマ支配人の鈴木さん、料飲課長の秋元さん、撮影の助力・機材提供をお願いした祐天寺の安永さん(写真館勤務)には特にお世話になりました。誌上を借りて御礼を申し上げます。



横浜港夕景(山下埠頭より)



 号名「樅」とは…   

「樅」といえば、山本周五郎の『樅の木は残った』がすぐに思い浮かぶ。時代小説の傑作である。それに、この本が出るころには、クリスマスが間近に迫っていることだろう。

樅は、クリスマスツリーだけでなく、建築や器具・製紙材料などに用いられている、マツ科の植物である。しかし、この樅という字は何故か私にとっては縁遠くて、一瞬何と読むのか迷ってしまったのである。

ちなみに、山本周五郎は、本号の特集地、港ヨコハマをこよなく愛し、小説の舞台にした作品が大半である。また、周五郎はわが東横沿線の新丸子と大変縁が深い小説家であったことは、新丸子の人でも殆ど知らない。
 そもそも、彼の本名は清水三十六(さとむ)である。本名・山本周五郎は新丸子出身の質店店主の本名だ。
 

かの不朽の名作『樅の木は残った』は、この人、山本周五郎さんがこの世に居なかったならば存在しなかったのである。その経緯は、本誌38号創刊7周年記念号の「アルバム拝借」でどうぞ!
           (武蔵小杉・大塚健嗣)






左右の木がクリスマスツリー用の園芸品種、モミの木
撮影:山田紀子さん(北山田)



日本のみに自生する、樹高平均25bの高木になる樅


四季の森公園で撮影:石川佐智子さん
(日吉
 「第1回NTTタウン誌大賞受賞」の記事にデスクキャップ4名が、31号「編集の音」に登場しています。
 審査対象になった27号・28号・29号・30号のデスクキャップがその喜びを語っています。
 http://touyoko-ensen.com/mini‐info/cook/ht-txt/657oto-31.html
 上記をクリックしをご覧ください。
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