編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.562 2015.04.09 掲載
    第25号
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第25号「栗
号名 「栗」
サイズ B5判
紙数 76ページ
発行日 昭和59年(1984年)12月1日
頒布方法 定価200円
表紙 イラスト「綱島・花柳界の検番の情景」
撮影者 漫画家・井崎一夫(都立大学)
デスクキャップ 不在
特集
1. 
特集 わが街シリーズ 綱島とその周辺編(全30頁)
  
2.  新連載「沿線風土記」第1回

   
      表紙のことば     漫画家・井崎一夫

  今回は「綱島」です。早いもので16号「柏」号で綱島を描いて1年半たちました。

「綱島の表情」がつかみにくくて、街のあちこちを歩いたあげく、大綱橋を渡ったところで、はるばる東京湾から飛んできたカモメ君たちを見つけ、カモメ君を主役に鶴見川を描きました。
  しかし、いま、ふたたび同じ場所に立ってみましたところ、綱島街道あたりに大きなビルが誕生していたりして、街の様相が一段と変化していました。ふだん何気なく見過ごしてしまう街の表情も、日一日と変化しているのを強く感じました。


余談になりますが、むかし『家の光』という農村向け雑誌に「日本各県見て歩き」を描いていましたが、長野県飯田市を訪れるべきはずのところ、前夜飲みすぎて立ち寄る時間がなくなってしまいました。そこで、同行記者君と謀って、同市の絵はがきを手にいれ、それを見て飯田市を描き発表しましたところ、ナント、その絵はがきは10年ほど前の風景で、「こんな建物は現在の飯田市にはない!」と飯田市から強い抗議を受け閉口したことがありました。仕事はゴマカシちゃいけませんよね。

  さて、今回も、自分の眼、自分の足を頼りに街中を歩いたあげく、街のどまん中に、新しいマンション群にかこまれた日本家屋を見つけました。昭和4年ごろ建てられた「綱島検番」(芸者衆が集まっていたところ)だそうです。

 現在アパートのような役割をしている様子ですが、間もなく取壊される運命にあります。
 綱島といえば、むかし、「綱島温泉」「花柳界」で栄えた街、現在、港北ニュータウンの玄関口として前途洋々の街。永年綱島を支えてきた「検番君」にご苦労さまをいいながら、心をこめて描いてみました。


 号名「栗」とは…   

本号の取材で新吉田町を飛び回ると、あちこちに栗林。東横沿線でまだ栗がとれるとは、嬉しくなっちゃう。
 世界のクリの種類を大別すると約10種。なかでも食べられるクリは日本産・ヨーロッパ産・アメリカ産・中国産の4種類とは意外ですね。イタリア・コルシカ島住民の主食はクリというのも珍しい。

タンバクリは実が大きく京都丹波地方に多い。野生のクリはシバクリと言い、田舎では蒸して乾燥し保存します。

  木材は腐りにくく家屋の土台、鉄道の枕木、器具、船舶などの用材として役立ちます。
 「クリ」の語源はクロミ(黒味)からきたとも言われています。 (岩田忠利)



辺り一帯に甘い香りが漂う、満開のクリの花

港北区高田町の栗畑
撮影:岩田忠利




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