「豪華外国船の入港時には、うちは家族連れの予約客で満員です。ルームの中から豪華船が楽しめます。最近とくに東京からのOLさんグループ旅行に人気があります。ヨコハマ観光はちょいとした外国旅行ムードがありますし、ご存じ「中華街】はホテルのすぐ裏手なのですよ」荻原ホテル課長のおはなしです。
ブルーの波間に白いカモメを配した豪華ジュータンの階段を降りると、純和風レストラン「山田屋」、ここでの和食がまたおいしいこと。
山下公園を一日中歩いてみました。歩き疲れて氷川丸の甲板からボンヤリ港街を眺めていました。街には新しい高層ビルがニョキニョキと誕生して「国際港ヨコハマ」の貫禄十分といったところです。が、私の頭の中には、異人さんや、人力車や、ハイカラさんが往き来する「クラシック横浜の図」が、いちばん横浜のロマンにふさわしい図式としで浮かびあがってくるのです。NHKテレビの見すぎかもしれません。
「この春、あの大桟橋には6万トンのクィーン・エリザベス二世が横づけされていたのですよ。それなのにいまあの船は、グルカ兵をいっぱい乗せて、戦場へ駆り出されているというのですね。悲しい話じゃありませんか」と同行のハマッ子、桑原デスクキャップが腹立たしげに申しました。
「そうだ、山下公園に,『クラシック横浜』の街を復元させてみよう。そして、静かな日本の海にクィーン・エリザベスを繋いでやろうじゃないか。氷川丸さんに席をゆずってもらって……。彼女には休息が必要なのだよ』、かくして生れたのが、今回の表紙なのであります。
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