編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.548 2015.04.04 掲載 
    第12号
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第12号「桂(かつら)
号名 「桂」
サイズ B5判
紙数 76ページ
発行日 昭和57年(1982年)7月1日
頒布方法 定価200円
表紙 イラスト「クラシック横浜港」復元
撮影者 漫画家・井崎一夫(都立大学)
デスクキャップ 桑原芳哉(大倉山)
特集
1. 
創刊2周年記念特集
  街に出た『とうよこ沿線』

2.  沿線っ子特集
  『とうよこ沿線』と同い年、ボクとワタシ

3. 港ヨコハマ特集

      表紙のことば     漫画家・井崎一夫

 今回は「横浜」です。

 どこを取りあげても「絵」になる横浜のすばらしさは、いまさら申すまでもありませんが、ザ・ホテルヨコハマ13階スカイレストランからの港の眺望は最高でした。
 奇しくも『とうよこ沿線』の誕生日に
1年早い同月同日にオープンしたこのピッカピカ新ホテル、左に大桟橋、右に氷川丸、正面に市民のシンボル「赤い靴」のブロンズがある.山下公園のまん中に位置しますが、もと「アメリカ領事館跡」と聞いてナットクしました。それにしても超特等地ですよね。

「豪華外国船の入港時には、うちは家族連れの予約客で満員です。ルームの中から豪華船が楽しめます。最近とくに東京からのOLさんグループ旅行に人気があります。ヨコハマ観光はちょいとした外国旅行ムードがありますし、ご存じ「中華街】はホテルのすぐ裏手なのですよ」荻原ホテル課長のおはなしです。

ブルーの波間に白いカモメを配した豪華ジュータンの階段を降りると、純和風レストラン「山田屋」、ここでの和食がまたおいしいこと。

山下公園を一日中歩いてみました。歩き疲れて氷川丸の甲板からボンヤリ港街を眺めていました。街には新しい高層ビルがニョキニョキと誕生して「国際港ヨコハマ」の貫禄十分といったところです。が、私の頭の中には、異人さんや、人力車や、ハイカラさんが往き来する「クラシック横浜の図」が、いちばん横浜のロマンにふさわしい図式としで浮かびあがってくるのです。NHKテレビの見すぎかもしれません。

「この春、あの大桟橋には6万トンのクィーン・エリザベス二世が横づけされていたのですよ。それなのにいまあの船は、グルカ兵をいっぱい乗せて、戦場へ駆り出されているというのですね。悲しい話じゃありませんか」と同行のハマッ子、桑原デスクキャップが腹立たしげに申しました。

「そうだ、山下公園に,『クラシック横浜』の街を復元させてみよう。そして、静かな日本の海にクィーン・エリザベスを繋いでやろうじゃないか。氷川丸さんに席をゆずってもらって……。彼女には休息が必要なのだよ』、かくして生れたのが、今回の表紙なのであります。







 号名「桂」とは…   

 「桂」は戦中派の人なら、上原謙・田中絹代主演の映画「愛染かつら」がすぐ脳裏に浮かび、その主題歌を口ずさむかも知れません。

 桂は雌雄異株、全国の山地に生えている落葉高木。45月には紅色の小さな花を咲かせます。湿り気の多い肥えた土地を好む桂は、いまごろ渓流沿いに雄々しく生え清流の水面に映る緑陰が訪れる人の涼感を誘うことでしょう。

 桂の方言名、コウノキ(香の木)は、宮城・山形・福島の諸県に使われ、その葉を乾燥させ、粉にしてお盆の13日から向こう1カ年間の先祖祭りに灯されます。
       (緑が丘・渡辺実千代)












初夏2本の桂の木 東横線武蔵小杉駅前

撮影:岩田忠利




 桂の秋
府中街道市ノ坪交差点付近の会社の植え込み

撮影:岩田忠利

 桂″は終われども

 本号桂″デスクキャップ 
   桑原芳哉
(大倉山・横浜国立大学3年)


日吉駅から歩いて5分。綱島街道に面して『とうよこ沿線』編集室があります。
 桂″デスクキャップを任されてからというもの、家と、編集室と、たまに学校と、この3点だけを結んだ生活が続きました。編集活動も遅々として進まず、胃の痛む毎日でした。

 おみくじで悟った?

 そんなある日、「地名ー1 生きている沿線の歴史」の取材を兼ねて、明治神宮に行ってみました。
 お参りを済ませ、おみくじをひいてみると――

 「かりそめのことは思はでくらすこそ世にながらへむ薬なるらめ」

 そうです! 取り越し苦労などせず、精一杯やればいいのです!
 その時の心境にぴったりだったこのおみくじ、今でも大切にしまってあります。




 2年間の出会い、そして今度は…

 『とうよこ沿線』も、この号で早くも2周年。この2年間、さまざまな人が、『とうよこ沿線』に触れたことでしょう。2年前からずっと編集室に来ている人もいます。この桂〃号で、初めて参加した入もいます。配本、編集、広告募集と、さまざまな形でこの2年間、そしてこの『桂』号に協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
 この桂″号で、『とうよこ沿線』を初めて手にする人もいるでしょう。そう、今度はあなたの出番です。『とうよこ沿線』3周年記念号には、きっとあなたの名前も、出ているでしょう。

 次号は「ミス編集室」の出番です

  さて、次号は櫟〃。デスクキャップは、おまたせしました、「ミス編集室」久保島紀子さんの登場です。いつ も「編集ノート」の催促電話でわれわれスタッフをおびえさせる久保島さん。今までのデスクと違って、原稿の取りたても、厳しくなりそうだなぁ‥…・。
 まだまだ、がんばらなくっちゃ!!

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