編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.539 2015.03.30 掲載 
 号名に樹木名が付く第3号
  
第3号「柊」
号名 「柊(ひいらぎ)」
サイズ B5判
紙数 96ページ
発行日 昭和55年(1980年)12月1日
頒布方法 無料 希望者に最高300冊進呈
表紙 大倉山梅林でたわむれる子供たち
撮影者 岩田忠利
特集 1.  座談会「わが東横沿線を語る」……沿線各区代表8名が集まって
 <心に残る沿線のくらし>

2.    有名人沿線人物地図 
  その3(自由が丘地区編)
      表紙に寄せて    撮影者:岩田忠利



岩田忠利

 冬の足音がすぐそこに聞える七五三の日、1115日。大倉山梅林の日だまりで無心にたわむれる子どもたち。その自然児たちを広く大きく包むようにそびえる大ケヤキ。

 そこに自然と人間のあたたかい触れあいを感じ、私は思わずシャッターを切ったのです。

  撮影後、子どもたちに聞けば、大曽根小学校3年2組の野外活動のひとコマでした。

 この3号発行後、同小学校の校長先生を訪ね、掲載誌を子供たちに差し上げました。後日、校長先生からお礼の電話をいただきました。子供たちのお母さん方が大喜びだそうです。「子供たちの成長を記す良い資料になります。大人になるまでタンスの中に大事に保存して…」とのこと。




「写真撮ってぇ〜!」と一瞬のうちに集まった子供たち
     号名「柊」

 焼いた鰯の悪臭と柊の葉のトゲが魔よけに

 「木」偏に「冬」と書いて「柊」…。葉は硬く光沢があり、葉の先端には鋭くとがった鋸葉があって指にでも刺さると飛び上るほど痛い。これが魔物よけになるという伝説があります。

 右の写真は昭和26年撮影。私の田舎、前橋地方には節分に「ヤキカガシ(焼きかがし)」という儀礼があります。写真のように囲炉裏で鰯(イワシ)の頭を焼き、柊の小枝に刺し、母屋の入り口に差す習慣があるのです。

 焼いた鰯は臭い。柊の葉も鋭いトゲがある。この悪臭とトゲで悪魔や邪気が家の中に入るのを追い払うための習俗なのです。


昭和26年撮影、風習「ヤキカガシ(焼き嗅がし)

撮影:藤井美喜夫(私の叔父)


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