綱島は沿線最高、5000台
上のグラフを見ていただくとお分りのように、やはり川崎市内と港北区内で駐輪数が多くなっています。
特に、綱島の5643台というのは、横浜でも最悪の事態になっています。この綱島には、サンコー裏に駐輪場がありますが、ここに駐輪しているのは531台ですから全体の9.3%、つまりは、約1割程しか収容されていません。
しかし、道路に置かれている自転車のうち、いわゆる「放置」されているものは「ほとんど無い」と、港北区役所市民課地域振興係の平本由弘さんは言われます。
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一日5643台の自転車がひしめく綱島駅前の“名所” |
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駐輪場に収容されているのは、わずか26%
つまり、今の駐輪問題は、放置されている自転車ではなく「生きている自転車」。毎日の通勤・通学に使っているものが問題となっているわけです。
それゆえ、さらに一層、駐輪場の設置が必要となるのですが、東京都内でわずか4.7%の駐輪場内の収容率、川崎市内で19.6%、横浜市内で20%、平均で16.8%と、8割以上が路上に置かれているのが、現状となっています。
皮肉な大倉山の例
沿線で、横浜駅に次ぐ駐輪場内収容率の大倉山(68.2%)には、昨年完成した沿線最大の駐輪場(収容台数9446台)があります。しかし、逆に駐輪揚が出来たために、昭和58年10月現在、1225台たったのが、1000台も増えてしまったのは、あまりにも皮肉な結果だと言えるでしょう。
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バイクの増加が顕著
また、駐輪問題の一つの傾向としては、バイクの増加があげられます。川崎市内のように平地にある駅の場合は、バイクの比率はまだ低い(川崎市内935台、全台数のうち13%)のですが、横浜市内は起伏の多いところに駅があるため、5716台35.9%。
さらに50CC以下のファミリ−バイクの普及によって、増加の傾向にあります。自転車と異なり、バイクは駐輪場に止めることを認めるとなると、保管が難しく、そのため地域によっては認めていないところもあるくらいです(綱島)。日吉のように、バイクが自転車を上回る駅もあり、駐輪問題は新たな様相を示しはじめていると言えるでしょう。
さらに、都立大学や中目黒のように、暗渠上の緑道に駐輪場を設けているところもあります。これは、目黒区の緑化政策上、緑道をつぶすわけにもいかず、また置場が他にないため、規制することもできず、暫定的に認められたケースです。
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都立大学駅南口の緑道に整然と並ぶ自転車群 |
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次回は対策編
いずれにせよ、東横線沿線各駅の駐輪場は絶対的に不足しています。ましてや、港北ニュータウンをはじめ、沿線人口はさらに増加してゆくと思われます。ですから、早急な対応が必要なわけです。次回は今回ふまえた実態から、どのように対処しているのか、また対応してゆくべきかについて考えます。
取材・文:西野裕久 写真:平山順子
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