編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.508 2015.03.05 掲載

       

   追跡! 地域問題
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  編集室が責任をもって取材し質問に答えます!           
                                               
 
 
   沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”

   掲載記事:昭和59年10月1日発行本誌No.24  号名「椎」

 東京都立大学の移転計画


           今津 光子
(主婦 目黒区八雲)


 
私は八雲に住まう者ですが、先日の新聞で都立大学が多摩へ移転を予定していることが載っておりました。
 大学はこの街の誇るべきシンボルですし、また環境を保つ上でも貴重なものです。また、商店の方にとっては、学生さんがいなくなってしまうことは、大きな打撃であるかもしれません。

 ですから、大学が移転した後、その跡地はどのような形になるのか大いに気にかかるところなのです。

それにしても東京都立大学がなぜ移転するのか、どこに移転するのか、そして移転後の跡地はどうなるのか、関係機関にお聞きして分かる範囲で教えていただきたくお便りしました。


          編集室から!

 東京都立大学の移転は、ご指摘のとおり、地元の人にとっては、大きな関心を持っていることだと思います。
  今回は本誌がちょうど都立大学駅周辺の特集ということで、タイムリーなこの問題について、東京都立大学事務局調査課長の川野邦治さんにアタックしてみました。

 さて、なぜ都立大学は移転しなければならないのでしょうか?

 「それは、理工学部の深沢校舎は日進月歩の科学の進歩の中で研究施設の増加に追いついてゆけず、また文化系の目黒校舎についても老朽化及び図書等の置き場がなくなったためです」
  いつ、どこに移転するのでしょうか?
 「移転先については、下の地図の京王相模原線延伸部分の由木平(仮称)駅周辺で、40ヘクタールの用地が取得できる可能性が高くなっています。現在が両校舎を合わせて9ヘクタールですから、4倍以上にもなるわけです。」



地図作成:石野英夫

 

「いつ移転するかですが、昭和63年着工の66年4月授業開始を予定しています」

 では、一番関心のある、大学移転後の跡地はどうなるのでしょうか?

 「それは、まず売却されると思います。なぜなら、都も財政が厳しいので、移転についての建設資金を、捻出しなければならないからです。おそらく跡地は他の公共用地になると思われますが……。よくわかりませんがね。ただし、附属高校は現在のところに残ることになります」



東京都立大学正門

絵:一柳 幸

 跡地の問題は以上のように未だ具体的なところまで煮つまってはいないようです。

 しかし、住宅地の中にあるだけに、跡地の利用いかんによっては、大きく地域環境を変えてしまうことも考えられます。
 隣町の学芸大学が、大学移転後もその名を冠して発展しているように、ここ都立大学も有効な土地利用が強く望まれるところです。

  
  取材:石野英夫 / 文:西野裕久













 綱島街道の拡幅工事については?


谷本 雅彦(会社員 港北区日吉)



綱島街道      地図作画:伊奈利夫

  綱島街道の道路計画についてお伺いいたします。私の家は綱島街道沿いにあるのですが、この道の道幅を広げるという計画があるために、さまざまな規制が敷かれています。

 確かに、大変車の通行量の多い道路で、今のままではじきにパンクしてしまうのではないかと思うほどです。
 しかし、一向に工事は始まらず、それどころか計画すらもはっきりとしないようです。これでは、私どもも今後の生活設計をたてる意味で大変困ってしまいます。

いつごろになったら工事にとりかかるのか……、そこいら辺を調べていただきたくお便りを差し上げました。よろしくお願いします。


     編集室から!

 綱島街道は、丸子橋で中原街道と接続し、東横線と並行する、交通の大動脈ですが、その道路拡幅が今度のご質問にあたります。

 上段の地図を見ていただくとわかるように、25メートル幅員(歩道幅員含む)になっている部分は、きわめて限られた部分しかありません。もともと、計画決定時期は昭和21年8月と非常に古く、それから30年以上も経っているわけですから、ご指摘のように、一向に進んでいないと言えるでしょう。

そこで、横浜市道路局街路建設部街路課の荻島さんに経過と今後の予定について伺いました。


 

 まず、菊名〜六角橋間については、菊名〜浦島丘間に、通称“綱島新道”を昭和38年から39年に整備したことで、とりあえずある程度、道路拡幅の目的達成しました。
 そのため当面この間は整備することはないそうです。ですから横浜市側では日吉〜菊名間が拡幅対象となるわけですが、現在のところ具体的にいつ、どこで始めるかなどはまったく決まっていないとのことです。

 ただ現在、沿線地域では日吉〜元石川線が重要整備路線となっています(図参照)。当面はこの整備がある程度進んだ段階で、綱島街道の接続を考慮しなければならない、とのことです。
 この場合は日吉〜綱島が対象となるわけですが、他の部分は全くの未定とのことです。

 一方、こと綱島街道の拡幅に関しては一歩先んじている感のある、川崎市の土木局道路部街路課の飯泉さんにも伺ったところ、現在元住吉の労災病院前から木月四丁目までの拡幅工事をしていますが、これも用地買収の関連でいつ完成するかすら未定だそうです。
 道路行政が車の増加についてゆけないことは仕方ないにしても、こうした計画が長年眠ってしまってそれについての住民に対して配慮されていないのは問題があるのではないでしょうか。

   取材:桑原芳哉)/文:西野裕久



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