港北区から、横浜市議会始まって以来の最年少市議が生まれた。木内博さん、26歳。横浜国大教育学部4年生である。
どんな人だろう、何しろ若い。編集室の期待をになって出かけてみた。
大倉山の選挙事務所はすぐわかった。ガラス戸にかわいいイラストがいっぱい。中は文化祭のあとの舞台裏のよう。
若い仲間が集まって後片づけをしていた。「遅くなってスミマセン!」と、とび込んで来たのは細身にネクタイをきちんとしめた木内さん。
ここでは落ち着く場所もないからと案内されたのが、24時間営業ストアのベンチ。自らコーヒーをもって来てくれたが、なんだか学生時代に戻った気分。
そういえばチラリとのぞいた背広の裏のネームは「木内」ではなくて……これが金のかからない選挙か、と何となく納得。選挙資金300万円の殆どが、ボランティアや地域の人々からのカンパ。中には自分の結婚資金の一部を家からもらってカンパした人も。
立命館大学史学科から横浜国大教育学部に。将来は先生になって障害児教育や非行問題と取り組むつもりだった。それがカンボジア難民救済運動、反核運動などを過してMPDにたどり着いた。
MPDとは、Movement of
Peace & Democracyの頭文字で、平和と民主主義を守るための無党派市民勢力の大同団結をめざす運動団体だ。
昨年10月、結成されたばかりで、4月の地方選では全国で18名の仲間を当選させている。北海道知事に当選した横路孝弘氏もMPDの呼びかけ人の一人である。
|
|
港北区は前回の地方選の投票率が44%と市内最低。今回の選挙運動中も、既成政党に満足していない人々が多いことを痛感したという。
既成政党の枠を越えた市民参加による政治がいま始まっている。これまでは政治の構造の外にあった主婦・若者が、戦争に対する危機感から、政治に関心を持ち、協力してくれた。
木内さんと話していて気づいたことは、政治家・木内博は決して一人では存在し得ず、多くの仲間と共に在り。その中でたまたま立候補者の役割を与えられた存在であるという自覚である。
「僕だけが目立って書かれると、ボランティアの人たちにすまないと思う」
ボランティアに支えられ、7428票の期待を寄せられているという自覚、市役所の40代、50代の職員に「先生」と呼ばれると困ってしまうというナイーブさ。
この初心をいつまでも忘れず、市民のための誠実な仕事をしていってほしい。みんなが注目しているのですよ、木内さん。
[りれきしょ]
兵庫県相生市出身、26歳。立命館大学を3年で中退し現在横浜国大教育学部4年生。4月10日の横浜市議選に最年少当選。
血液型B型。自分を将来に対して楽天的な性格と思う。公務員の弟と大学生の妹がいる。菊名在住。
平成27年現在、神奈川県議会議員
|
|