編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.456 2015.02.05  掲載 
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   沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”

   掲載記事:昭和59年12月月1日発行本誌No.25 号名「栗」

  より若く、より美しく、

          より健やかに

  市川 宝

  市川 宝クリニック・院長
  横浜市港北区綱島西1丁目

 

女性″最大のテーマ



 もしロボットで人間の男性と女性を作ろうとしたならば、より複雑で、むずかしいのは女性の方だと思います。それは子孫を胎内で育て生み出す機能を持たせなくてはならないからです。


イラスト:石野英夫(元住吉)

  女性の複雑さは女性ホルモンの複雑さにあると思います。女性はこの女性ホルモンの複雑さのために、あるときはとても誇り高く、あるときには悩まされたりするのです。この女性ホルモンが華やかな花を咲かせるのは思春期に始まって、せいぜい35歳位までです。
 
35歳を過ぎるとびっくりする位のスピードで花は散り、枯木への道に進むことになります。いわゆる更年期です。

 人生わずか50年といっていた時代には、それでもよかったのかも知れません。ところが最近では女性の平均寿命は延び、今や80歳まで生活する時代となりました。女性ホルモンが枯れてしまう40歳という年代は、未だ人生の半分に過ぎないことになります。

 そこで残りの半分の人生を、より若く、より美しく、より健やかに生きるにはどうしたら良いのかという、たいへん大切で重大なテーマが持ち上がってくることになります。


  ホルモンの持続が若さのカギ


 いつまでも「より若く」「より美しく」「より健やかに」は全ての女性の願いだと思います。




  外見上の、あるいは内面上の老化には個人差があります。女優さんたちがいつまでも若々しく、美しく、本当の年齢を知ってビックリすることは誰もが経験することでしょう。また同じ年代でも仕事を持っている女性の方が家庭の主婦よりも一般的に若々しく見えたりすることもしばしば経験されます(もちろん例外は沢山ありますが…)。同じ50歳という年齢に達しながら、若さ、美しさ、健やかさに差が出来るのは何故でしょう。

  ひとつには、服装だとか、化粧だとかいったものも大きな要因の一つだと思います。しかしそれだけと決めつける訳にはいかない部分があります。同年齢の女性の女性ホルモンを測ってみると、信じられない位の差が出てきたりするからです。

 どうも女性が「より若く」「より美しく」「より健やか」 に生活するためには女性ホルモンが主役を果たしているようなのです。35歳から急に減ってゆく女性ホルモンを、いかに持続させるかがカギを握っているのです。

   ホルモンの枯渇とその対策は


 女性ホルモンの枯渇は外面上の若さや、美しさを奪ってゆくばかりでなく、体の内部でも大きな変化をもたらします。
 脂肪の代謝を狂わせ、血中のコレステロールや中性脂肪を増加させます。骨のカルシウムとリンのバランスを変化させ骨を硬く、モロくします。膣は硬く伸びが悪くなります。まだまだ、いろんな症状があります。

 それではこの女性ホルモンをより長く持続させるためにはどうしたら良いのでしょうか。クスリや注射によるホルモン剤の上手な投与も一つの方法なのでしょう。しかしこの方法には、若干の無理と不自然さがあります。

 女性ホルモンは脳の支配を受けています。従って脳の老化を予防してゆくことが、女性ホルモンの持続につながってきます。脳に適度な刺激を与え、統括してゆくこと、これが脳の老化を予防します。具体的な方法は誌面の都合上、別の機会に述べたいと思います。
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