編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.453 2015.02.04  掲載 
13

 
   沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”

   掲載記事:昭和59年5月月1日発行本誌No.22 号名「槇(まき)」

 伸びる中原地域

        新ふるさと意識 その2

  宮本 義孝

川崎市新総合計画審議会副会長
 覚王山高元寺住職/大正大教授
   川崎市中原区宮内

  多摩川を渡って日吉駅手前までのわずかに3.2キロメートルの東京と横浜に挟まれた川崎市中原区の地域は、川崎市の狭長な7行政区の中間に立地することから、市の中心的施設や機能をもってこれまで発展してきました。そして将来へと計画や展望をもちながら伸展しつつある姿をできるだけ具体的に触れさせていただきました。

 前号では「等々力緑地」を中心とするスポーツ健康増進の総合施設、また「博物館」とセットされたわが国初の「映像文化センター」の市政60周年記念事業が着工されようとしていることをあげました。

 開かれた「川崎市公文書館」など


 府中街道に面した公園入口に完成間近の「川崎市公文書館」があります。これは開かれた市政をめざして川崎市が情報公開制度を発足させ、その情報資料公開のための中心施設(収蔵・閲覧・提供)であり、収蔵文書は今後20年間収蔵可能の設計になっています。

  また隣接して学校数育にたずさわる教職員の「互助会館」が建設進行中であるが、レストラン喫茶部門、体育館、会議室等のコミュニティー施設は一般の利用者に開放される予定となっています。



イラスト:石野英夫(元住吉)



 戦争のツメ跡を消す
     「中原平和公園」


 さて、元住吉にある元米軍出版センター跡地を川崎市は、戦争のツメ跡を消す意味あいから「中原平和公園」と名づけ、市唯一のユニークな潤いのある文化の香りのする公園を完成。
 それは、屋外文化の育成と市民の参加をねらいとして、例えば野外で音楽会やその他の集いができるような施設や屋外で市民ギャラリーや展示物としての広場(これまでに平和をシンボルとした彫刻シンポジュームの開催が行なわれた)、草野球のできない公園が多い
キャチボールのできる広場、裸足で歩ける広場など市民が集い・憩い・なごめる°間広場が創造されているのです。

  東横沿線住民のための
    「中小企業・婦人会館」


 川崎市の関係施設で実際に東横沿線に居住する人たちが多数利用する施設に「中小企業・婦人会館」があります。
 ここでは趣味・健康増進・レクリエーション・文化的催し物・学習講座などの場や交流の機会を提供しています。101の学習講座がひらかれ一流の講師陣が指導にあたり、年齢や性別を問わず、しかも川崎市民以外に東京や横浜の地域の人々もたくさん参加しています。まさに8年も前から行政ワクを越えた新しい連帯としての東横沿線コミュニティーの形成の場として共同意識が誕生し交流しあっており、さらに東横沿線の人たちの参加交流を期待している施設であります。

 さて、この東横線と南武線の結節拠点である武蔵小杉地域は、中原区の中心施設や商業施設があり、商業・行政の活動上でもまさにカナメで、再開発のもっとも必要な地域であります。
 その間題点や将来への模索については、次の機会にさせていただきます。

「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る