編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.434 2015.01.20  掲載 

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  浅野中学・高校の巻



  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”


   掲載記事:平成10年5月30日発行本誌No.70 号名「(とどまつ)」

   

  沿線近くの 私立学校特集


 東横沿線の近くには私立学校がたくさんあります。
 100年以上の歴史をもつ伝統校から創立して数年という新設校まで。

 沿線の学校もずいぶん様変わりしています。学校によってカラーもさまざま、今や個性に合わせて学校を選択する時代となってきました。

 今回はこの私立学校にスポットを当て、母校を思いっきり自慢していただきました。


               東急沿線に学校が多いワケ

 そもそも東急線と学校とは切っても切れない縁がある。開通時の沿線は大半が畑や竹やぶばかり。
“街づくり″の役目を担っていた東急線が片道輸送を解消するための打開策が学校誘致だったのだ。

 まず初めに誘致したのが東京・浅草区にあった東京高等学校(現東京工業大学)。大正13年に大岡山に開校した。
その後、昭和4年に慶応義塾大学予科が日吉移転、昭和5年に東京府立高等学校(現都立大学)の柿ノ木坂への移転が決まっていった。青山師範学校(現学芸大学)は昭和7年。その後続いて武蔵高等工科学校(現武蔵工大)・法政大学・攻玉社などを誘致していったのだ。
 このほか、例をみないほどの大規模な学校誘致は大成功……。輸送量は一挙に2倍に増加したという。いうなれば学校あっての東横線。東横線あっての学校なのである。       
「東京急行電鉄50年史」から



    なぜ今私学がモテるの?

 首都圏全体で言えば、私立中学校に進学する子供の割合は13パーセントほど。ところが東横沿線だけに限れば、30パーセントにも上るという。
 これほどまで私立学校に人気が集まるようになったのは、ここ十数年の現象だ。私立学校自体も増えてきた。

 なぜ、今私立なのか。その人気の秘密は?


     私学の魅力

●学校によってはっきりしたカラーがあり、自分にあった学校が選択できる。

●中高一貫制であることで、
 ★高校入試がなく、ゆとりのある中学生活が送れる
 ★6年間の計画的・継続的な教育指導ができる。
 ★6年間生徒を継続的に把握できるので、個性や才能を伸ばすことができる。
 ★中1から高3までの異年齢集団での交流や活動ができる。

●いじめや非行に対しての対応が細やか

 もちろん公立校には公立校ならではの良さがたくさんある。ただ単純に進学率だけ見れば、私学は公立を完全に逆転している(首都圏の場合)。

 たしかに進学率のデータには魅力があるが、学校選びの基準はそれだけではない。もはや偏差値だけで選択する時代は終わろうとしている。

 校風・教育理念・先生・設備……。自分の可能性を伸ばしてくれそうな学校に人気が集まるようになってきた。女子の場合は、制服のデザインもポイントの一つとか。


     最近の私立中学お受験事情

 最近の中学校を受験する場合、どうしてもある程度の受験勉強が必要となる。学校で習わない問題が出題されるからだ。
 
 小学4年から塾に通いはじめ、この間の出費は約200万円前後、というのが
受験生の平均像。交通費やた諸雑費などがプラスされるが、最近の親はこの経費を投資ではなく消費と捉えているという。そのプロセスを親子で楽しんでしまう。

 中学受験は親子一体になって行う熱いイベント。失敗もまたいい人生経
験になるとか。(資料提供 日能研)


       取材の感想

 今回横浜市内の7つの私立学校を取材した。生徒たちの表情はどこも明るく、「荒れている」様子はみじんもない。 各校それぞれ見事に個性的。生徒や教育に関して非常に熱心で意欲的に取り組んでいた。

 冷暖房完備は当たり前、パソコンは一人に一台……。企業もあっと驚くハイテク機器も導入されていた。伝統をしっかり守りながらも新しい時代を生きている。
 生徒も先生も自分の学校をこよなく愛し、生き生きとスクールライフを満喫しているなという印象を強く受けた。卒業してもなつかしく思い出されるのが学生生活。帰ってきた時、往年の先生が笑顔で迎えてくれるのも私学のうれしいところだ。
(担当スタッフ:岩田・品田・高津 レイアウト・イラスト:高津・品田)


   浅野中学・高等学校
 
   〜〜 新子安 〜〜 


 ベイブリッジを望む丘の上に建つ浅野学園は、
この十数年、じわじわと実力をつけてきた。
 
 今や県下でも有数の進学校として評判が
高いが、それだけをアピールしたくない。
  人そのものを創っていく学校でありたい、と。



6万平米と広いキャンパスの校門


5階建てのモダンな校舎


    銅像は街のシンボル

 浅野の森、銅像山のてっぺんに浅野總一郎氏の銅像が建っている。間近で見ると予想以上に大きくて立派である。丘の上に位置するので、京浜東北線電車の中からもよく見える。

 ところが、周りの樹木が繁茂してくると、それに隠れてしまいそうに。するとすかさず、多くの市民から「銅像が見えない」という指摘を受けるという。やっぱり、この銅像は街のシンボルにもなっているのだ。



創立者・浅野總一郎の銅像


 School  Profile


生徒数  1620名(中学・高校)総卒業生数 約12,000

沿革 大正9(1920)創立  
 京浜工業地帯の埋め立てでも有名な浅野總一郎氏により創設された。今年(平成10年時)は浅野氏の生誕150年にあたり4月に式典が催された。

校訓・教育方針
 「愛と和」「九転十起」
 創立者の浅野總一郎氏は、絶え間ない努力の人だった。失敗しても失敗しても立ら上がり大きな功績をあげたのだ。その彼の信念が校訓として今に残る。
 
自主独立の精神、義務と責任の自覚、高い品位と豊かな情操」――これらを具えた、心身共に健康で創造的な能力をもつ、たくましい人間の育成に努める。

年間学費 約70万円

卒業生の主な進路  
 東大はじめ国公立・有名私大へ。医歯薬系も多い。

     学校自慢

●敷地が6万平方メートルと広い。敷地の半分を占める銅像山にはさまざまな野鳥が生息し、多種類の樹木があって風光明媚。
 昭和46年には、神奈川県愛護林鳥獣保護区に指定された。この自然林は近隣にとってもホッとする空間である。

●勉強はもちろん、それ以外の生活面でも面倒見がいい

●先生と生徒の間が近い、信頼関係がある

●ギスギスしてなくて和やかな校風

●現役の進学率が高い。


 ウチの学校のここが
         すごい!

◆平成7年にできた校舎がすごいl(新校舎には最新機器を導入したコンピューター室、120インチビデオプロジ工クターを備えている。地下2階・地上5階で昇り降りが大変だが……)。

◆上からスポットライトがあたる設備の生物教室が、すごい。

◆アニメオタクが多い。

◆校則がそんなに厳しくなくて、比較的自由。

◆勉強熱心な生徒が多く、不良はあまりいない。

◆できない生徒をきちんと救済してくれる。

◆朝申し込んでおくと弁当・パンがランチタイムに届く。

◆早稲田・慶応への合格率がハンパじゃない。

名物先生

◆地理教師O……電車オタク

◆国語教師H……山が恋人

◆古典教師I……モノマネしながら演劇風に授業する(でも寒い…)

◆体育教師A……ホノルルマラソンの出場経験あり


             制服

 有名OB

飯田徳治(野球殿堂入りのプロ野球選手・監督)

長崎源之助(童話作家。旧制浅野総合中5年時に病気で中退)

八木柊一郎(劇作家、映画監督)

大出 俊(元郵大臣 17期)

稲垣 昭三(劇団「雲」俳優 22期)

藁科 満治(参議院議員 27期)

堀 威夫(ホリプロ会長 28期)

中村 順一(元ベルギー大使 30期)

荒木 俊一(東大医学部教授 37期)

堺正幸(テレビタレント、歌手 48期)

渡辺和三(クレー射撃、バロセロナ五輪銀メダリスト)
 

 などなど、大学教授をはじめ各界トップで活躍しているOBが非常に多い




連絡先:浅野中学・高等学校

      横浜市神奈川区子安台131
           TEL.0454213281

  学校案内ホームページ
 http://wwwisite.or.jp/phsk/name/a/asano/asanolhtml

  「とうよこ沿線」編集室 取材・編集スタッフ

  品田みほ(反町)/高津利恵(中山)
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