「山の家」とバザーの盛況
トキワ松学園「山の家」は北軽井沢照月湖畔にあり、都会化した軽井沢と違って未だに自然のふところに抱かれている。生徒寮(10畳6室)や食堂など木造ながら近代的な施設であるが、職員室を含む管理棟は昔の茅葺き屋根の建物を補修したもので、現在では珍しい。
これは昭和35年に落成し、以来毎年、多くの生徒の合宿などに使用される。とくに中学1年生全員の参加するオリエンテーションと自然観察、勉学グループ、中・高生の文化系クラブ合宿などに有効に使われている。
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北軽井沢「山の家」の朝。朝もやの中からカッコウの声が…… |
トキワ松名物のバザーは、来場者が一様に驚かれる。この「山の家」開設基金を得るために、当時の父母が自発的に始めたもので、以来今日まで毎年6月末頃に行なわれ、今年は第22回目のバザーを、小学校開設30周年記念として実施した。
年にたった1日のこのバザーにかける父母の方々の情熱はたいへんなもので、その盛況は遠隔地の学校関係者も多数見学に見えるほどである。
「山の家」の維持だけでなく、創立60周年を期して行なった、校舎の改修や塗装、他に例を見ない視聴覚設備の充実などはすべてこの盛大なバザー益金に学園経常費を加えて実現したもの。
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全校者と校庭を使うトキワ松“名物”、大バザー。その盛況ぶりにご近所の方も駆けつける
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しかしそのことよりも、こういう活動を通して、父母がトキワ松を愛し卒業生だけでなくその父母までが「母校トキワ松」のファンになっているところにこそ大きな意義があろう。
現校長・賓方亀壽先生は、こういった父母と生徒と教師とが一体となった心のつながりを「トキワ松ファミリー」として賞賛している。
トキワ松のPTAは「学園会」と呼ばれ、生徒が一つの教育理念で導かれているのと同様、これも小・中・高一体で一つのPTAを作っている。そのうえ、卒業生やその父母もこれに加わって、本物のファミリーになっている。
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