
バチカン宮殿サンビェトロ広場の大群衆3万人注視のなか、ローマ法王、パウロU世と川田聖見団長(手前)との会見シーン。右の男性は通訳
|
|
広場の一角から怒涛のような拍手と歓声――。遠くに米粒のような白衣の人がオープンカーに乗って手を振っている。断続的に起こる騒ぎのなかで見え隠れしていた法王の姿がしばらく見えない。
やがて近くに歓声……。法王が見えた! 柵の手前で車から降りられる。市民からパーパ≠フ愛称で親しまれているあの顔は満面笑み、私の前におられた川田特使とまず堅い握手、それから通訳を交えて何やら対談……。
法王から1、2メートルの至近にいた私は、後から押される群衆の圧力にやっと耐え、カメラのシャッターを切るのが精一杯。その間、5、6分の出来事だった。
その後、静かに壇上に登った法王は、5カ国語でスピーチ。遠来の異教徒、私たちへの挨拶は英語で祝福と歓迎の意を丁重に述べられた。それに応える一行は全員起立、深々とこうべを垂れる。
そこにまた、すべての聴衆が立ち上がって贈った共感の柏手はいつまでも鳴り止まなかった。
|