編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
 NO.406 2014.12.06  掲載 

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 アマゾンからこんにちは! 


    ――白楽のリス猿・チーちゃんーー




  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載“復刻版”


   掲載記事:昭和61年2月20日発行本誌No.32 号名「樫」

   取材・文:杉村みゆき
(妙蓮寺・大学生)/写真:米澤 裕(鶴見)
   

 白楽に珍しい種類のお猿さんがいるという情報を得た。神奈川区白幡向町215番地の宮本さん宅のリスザル、チーちゃん(メス・5歳)。



  手のひらに乗る体長25aの大人のチビ猿

  細くて短い金茶色の毛と、クリクリした黒い瞳、人間と同じ形をした細くて小さい手、体長は25センチほどで、ちょうど大人の手のひらに乗る。

  とにかくかわいい。かわいい≠ニいう言葉は、チーちゃんのためにあると思われるほどであるが、彼女は人間にすれば25歳。れっきとしたレディである。

 「でも人の機嫌をとったりしないしね、小憎らしいくらい頭が良くて、飼うには忍耐がいりますよ」とお父さんの彰夫さん。



    好きな食べ物は、昆虫


 アマゾン原産のリスザルは、輸出禁止のため、飼っている人は少ない。熱帯にいたチーちゃんが日本の冬の寒さに耐えられるかどうか、最初の頃は随分気を遣ったらしいが、チーちゃんはいまだ大病もせず、元気そのもの。

 彼女が元気なのは、どうやらその旺盛な食欲。雑食で、スキヤキ・ギョーザ・豆腐・みかん・チョコレート・アメ――と、なんでも食べるが、大好物は昆虫。トンボやセミ、ゴキブリも大好きとか。


 チーちゃんの親友は、同居人のワンちゃん、シェルちゃん(メス、4歳)。犬猿の仲≠ゥと思いきや、仲がいい。いたずらっ子のチーちゃんが鎖をはずして逃げてしまった時、家族に知らせてくれたのがシェルちゃん。これが本当の犬猿の仲″なのだ。

 ふだん、日中は家の2階から、庭のイチョウの木までの間を自由気ままに行ったり来たり。おじいさんの勝宣さんが、「チーちゃん」と呼ぶと、「チー、チー」と可愛い声で答え、姿を見せる。
 「寒い時に抱いてあげると、小さい体をまるめて懐にもぐり込んでくるんですよ」と彰夫さん。「冬はよく自分の体より長い尻尾をマフラーがわりにしている」と次男の朱紋君(中学2年)。そんな仕草はやっぱり愛らしいという。

 どんなペットよりも頭が良くて、気が強いサルは、飼い慣らすのは難しい。
 「食べ物でも気に入らないと怒ってゆすったり、音をたてたりするし、夕方家の中に入れる時、まだ外にいたい時は好物で誘っても絶対寄ってこないんです」「でも、だからと言って籠の中に閉じ込めてしまったら、可哀そうですよね」と彰夫さん。こんなご主人がいて、チーちゃんは幸せですね。

 今、金茶の毛色は、夏になるとグリーンぽい茶色に変化するそう。アマゾン生まれのチーちゃんの大好きな季節である。お年頃のチーちゃんに、ステキなボーイフレンドを見つけてあげたい。もし、リスザル (オス)を飼われている方がいらしたら、編集室へご一報をお願いします!



手の中にすっぽり入るミニサイズ






仲良しのシェルちゃんと
ダッコしているのはお母さんの瞳さん



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