編集:岩田忠利/編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
NO.345 2014.11.02  掲載

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樹木  

御殿場の「炎の里」で一日陶芸教室



   土と触れ合い、みんなの心はなごみましたか…


 
さわやかな春風の吹く昭和57年3月28日、日吉の駅前に、大きな大漁旗がはためいていたのを知っていますか。この「東横沿線を語る会」特注の大漁旗のもとに、当会主催「一日陶芸教室」に参加される人々が、ぞくぞくと集まってきました。『とうよこ沿線』10号(桃号)で読者の皆さんに呼びかけ、各新聞紙上にも取りあげられ、大勢の方々から参加希望をいただき、大型バスに、はちきれんばかりの、盛大なツアーの出発。

 親子連れ、お孫さんを連れたおじいさん、一家そろって、友だち同士と、幼稚園児からご年輩の方まで、さまざまな人々が目を輝かせてバスにゆられています。久しぶりの好天に恵まれ、窓の外には五分咲きの桜、満開の桃が、新緑の中に所々現われ、そのたびにバスの中に「ワァーきれい」という歓声が。

 じきに、バスの前方に、真っ白な雪をかぶった富士山が見え始めました。私たちのめざす御殿場も、もうすぐ。丹沢湖での昼食は、青空の下で手作りお弁当をたくさんほおばって、めいめいに「きょうは何を作ろうか」と考えている様子。

  丹沢湖からまたバスに乗り、陶芸の豆知識を教えていただきながら、目的の陶芸場「炎の里」に到着……。

広々とした田畑、小川のある大自然の中に、大きな総ガラス張りの作陶場がありました。着いて間もなく、子供たちは、あっという間に手にいっぱいのツクシを採ってきました。

  粘土なんてお構いなしに、外を飛び回っている子もいれば、もう真剣に陶作に取り組んでいる人も。我が「とうよこ沿線」編集長殿も、最初は子供たちにまじってツクシ採りをしていたけれど、今はぐい呑み作りに専念しているようす。さすが編集長殿のぐい呑み、どんどん大きくなって小鉢くらいに。小さな手から、大きな手まで、みな休むことなく土に親しみ、思い思いの物を作りあげています。

 作陶のあとは、さらに奥まった所にある、珍しい登り窯を見たり、陶芸家たちの作品を鑑賞したりして、いつの間にか、帰りの時間に。



真冬でも暖かい総ガラス張りの作陶場でみんな夢中…





  時の経つことの、なんと早いこと。見渡す限りの大自然、小川のせせらぎも聞こえてきそうな静けさの中で、土と人々の穏やかさに触れたことが、みんなの心をなごませたのではないでしょうか。
 どんな風に焼きあがってくるか、ワクワクしながら、御殿場「炎の里」をあとにしたのでした。

                                   記・久保島紀子

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