どうして私が後ろめたく感じるのか考えてみると、やはり宿命という観念を退けるキリスト教教育のせいとしか言いようがありません。
敬虔なキリスト教徒にとって、星まわりによって運命が左右されると考えることは、星まわりが神よりも上に立つことになるのでタブーです。だからそれを迷信と見下す風がフランスにはあります。
ところが驚くまいか、キリスト教の衰退と共に星占いが陽の目を見るようになってきたのです。70年代にマダム・ソレイユ(星のお姫様と訳せば良いかしら)がラジオで星占いの番組を初めて大成功に収め、80年代に入ると星占いの雑誌が部数をぐんと伸ばしました。最近の調査では星占いと、すでに科学と認知されている筆跡学(筆跡による性格判断)と同等に位置付けている人が40%にも達しています。かといって、猫も杓子も占い師の門を叩いている訳ではありません。悩みを抱えた人がもっぱらで、これはどこの国でも同じでしょう。