今、考えるとよく、あれで試験がパスしたと不思議なくらいです。いくら好きな東横沿線でも、渋谷駅近くになると、手が出ません。かといって、あまり横浜に近いのも変わりばえしない、そこで渋谷駅と横浜駅のちょうど中間点、元住吉駅に決めたのです。
「元住吉駅、徒歩15分、井田三舞町」の貼り紙に、最初はちょっと遠いかなと、感じましたが、今ではすっかり慣れて、むしろ健康と美容にはもってこい。歩きながらメロディを口ずさみ、歌を作ったり、セリフの練習をしたり、時には考え事をしたり、それが楽しみのひとつなんです。
それに、途中に見える団地の窓明かりが、暖かく優しい気持ちにさえしてくれますし、感傷的になることもありますけれど。あちこちに残っている畑や家の庭に咲く花の香りに、忘れがちな季節の移ろいを感ずる時もあります。そんな時、仕事をしている時とはまた違った意味で、生きてるなって感じます。
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元住吉の東西口を分断する駅前の大踏切上での筆者
撮影:三戸田英文(元住吉) |
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