編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利      NO.238 2014.9.21  掲載  

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 色違い4色のプードル7匹 


  ――千鳥町駅前・吉田さん宅ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:平成11年10月25日発行本誌No.71 号名「梔
(くちなし)

   文:鈴木みづえ
(菊名)
   

池上線の千鳥町駅で降り、踏切を渡ると、左角に吉田書房はあります。ご主人、奥様、「看板娘」のお嬢様と看板犬(?)の白いプードルがいつもお客様をお待ちしています。

 この白いプードル、いつうかがってもカウンターの上で就寝中。初めてのお客様のほとんどが犬のぬいぐるみと勘違いする”ボス“。
 それが突然むくっと起き上がったので「何かありましたか」と奥様に尋ねると、「この子の孫たちが散歩から帰る頃なんでしょう」。

 1分と経たないうち、お嬢様に連れられたかわいい3匹のプードルたちのご帰還です。
 ボスはカウンターからさっと飛び降り、尾を左右に大きく振って大喜び!




     わが家はプードルの大家族


 吉田家にはそのボスの子が2匹、孫、それから黒・シルバー・その子供のシルバーベージュと、なんと合計7匹のプードルを飼っているのです。

 最初に飼ったのは次男の息子さんが幼稚園に入り、手が離れた時。以来プードルひとすじ。ご子息さんに喘息(ぜんそく)があったので、毛が抜けず体臭のない犬種にしたからだそうです。

 元祖のボスからどんどん子孫が増え、またアメリカ留学した娘さんも、黒とシルバーの色付きの2匹をアメリカから連れて帰りました。生まれた子犬は1匹残し、あとはよそに差し上げるので、ご近所には白のプードルが多くなってしまったとか。

 プードルの名前ですが、元祖のボスで白いのが「悟空」、その子供が「オガタ」と「マハリク」、オガタの子で悟空の孫になるのが「マイティー」、黒いのは「バッファロー」、シルバーが「サクラ」、その2匹の子のシルバーベージュが「ヒマワリ」だそうです。
 まあ、名前の付け方に深い意味はないようですが。色付きの犬は、まだ1歳から3歳と若い。

 


「はい、ポーズ! あら? あの子だけ逃げちゃった」。1匹だけ恥ずかしがり屋、奥様の元に逃げ帰り、6匹だけの顔見せとなりました



         犬の美容もすべて自宅で


 奥様によればプードルの寿命は10歳。短い寿命でも大勢のワンちゃんと一緒に、田舎の広い場所で楽しく過ごすのが夢だそうです。

 中には親がチャンピオン犬のプードルもいますが、ご主人はドッグショーなどにはまったく興味がありません。犬は美容院に連れて行かず、シャンプーもバリカンも奥様とお嬢様との二人でやってしまいます。食事も昼は缶詰、夜は鶏肉とそれほど贅沢をさせていません。ただ一つ贅沢なのが夏は冷房、冬は暖房をつけてやることだとか。

 運動は、昼間は屋上で。また若い犬は歩いて10分ほどの多摩川に連れて行き、綱を放して思う存分遊ばせます。

 プードルを飼っていて一番楽しいことは「犬のいない生活は考えられない。死ぬまで飼うんじゃないかしら」。逆に、一番の苦労は「トイレのしつけをちゃんとすることぐらいでしょうか」。
 奥様によると、動物も歳を取ると病気をします。しゃべれない動物が病気をするのは見ていてとても不憫、居ても立ってもいられないほど辛いそうです。

 ともあれ、お店を守るボスの「ごっちゃん」こと悟空を始め、7匹のワンちゃんは吉田家の奥様とお嬢様に見守られ今日も元気に暮らしています。

 
 
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