編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利       NO.236 2014.9.21  掲載 

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 いつも一緒 仲良し犬と猫

  ――港北区新羽町・落合三郎さん宅ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:平成9年2月28日発行本誌No.67 号名「椋
(むく)
   文:岩田忠利
   


   猫のゴンが犬のチビの2倍の体重


 落合家はお父さん、お母さん、元気なおばあちゃん、一人息子のお兄さんの4人家族。
 「子どもたちはどうしているの?」これが会社から帰ったお父さんのいつもの開口一番。
 子どもとは、犬のチビちゃんと猫のゴンちゃんのことである。

 チビは雌犬のポメラニアン。小さな体をフサフサとした黄金色の毛で包み、小まめに家の中を動き回っているが、もう14歳。人間でいえば、家でいつも夕ご飯をくれるおばあちゃんと同じ80代だ。

 雄猫のゴン(9歳) は、テレビから「タンスにゴン」というCMが流れる頃、お兄さんがゴンと名付けた。どこかの親猫が生まれたての子猫をくわえて来て、軒下に置いて行ってしまったのだ。ゴンは母乳を飲むこともなく、家族が与える哺乳びんで育った。



体重が2倍の猫のゴン、こんな仕草で先輩、犬のチビに敬意を表す


   感心な2点。おもらししないこと、先輩を敬うこと


 ゴンはそんな哀れな境遇から家族の愛情を一身に受け、食事はたらふくいただけるネコっかわいがり≠ヤり。そのうえ、寝ぼ助で、終日家で寝ている。太らないはずがない。7キロ以上のドデカイ猫になった。最近は主治医の勧めでダイエット、やっと5キロほどに。

 
でも、ゴンの食欲は依然として旺盛。食事の1時間も前からおばあちゃんの足にまつわり付いては「まだ1時間も早いのよ!」と叱られる。すると、高い所が好きで、冷蔵庫や茶棚の上にあがってデモを始めるのだ。また、ゴンの何よりの好物はキャベツ。お母さんがキャベツを千切りする音を聞きつけると飛んで来て、まな板の上の刻んだキャベツを手先でヒョイと近寄せて食べてしまうのだ。




寒がり屋のゴン、犬のチビと一緒に雪の中で遊ぶ。自分は犬だと勘違いしているようだ


 チビとゴンのこうした生活の中に2点ほど、感心させられることがある。それは一度も用便で失敗したことがないことだ。
 ゴンは2階のトイレに駆け上がって用を足す。チビは吠えて知らせる。家族が一日中留守の時は帰宅するまで我慢し、“おもらし”はしないのだ。

 つぎに、やんちゃで傍若無人のゴンは体重が半分のチビを先輩として一目置いて尊敬していること。
 自分が好きな座布団の上にチビが座っていると、座りたくても遠慮する。冬はストーブの上で寝ている寒がりやのゴン。それが驚いたことに、雪の降った翌日、犬のチビと一緒に雪の中を飛び回って遊ぶのである。

 まだ目が開かない幼い頃から同じ屋根の下でチビと暮らすゴンは、自分を犬だと思っているようだ。

 
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