英国から来日した当時のルナ
現在の母親ルナは、1985年はるばるイギリスから海を渡ってやってきました。頭脳明晰、仕事好き、繊細さと大胆さを兼ね備えた素質ある犬として数多くの中から選ばれたのでした。
来日当時はもちろん日本語が全然分かりませんでした。テレビに映るサッチャー首相の演説だけは耳をそば立て、凝視するのでした。でも今、英語しか通じなかったルナは、すっかり日本語をマスターしたようです。
「八百屋さんが来たら教えてね」と岩井さんが頼むと、トラックの音をいち早く聞き分けて、遠吠えのような異様な鳴き声で教えます。
じつは、タケノコとレタスが大好物のルナは八百屋さんが来るのを何よりも楽しみにしているからでもあるのですね。
日頃岩井さんに甘えていたルナも子供が生まれると途端に、母性愛を発揮して終日面倒を見る子育て上手な母親に変身します。こうしてルナが手塩にかけて育てた盲導犬の子犬が18匹。そのうち、すでにアイメイトとして活躍中の成犬が7匹、只今訓練中の幼犬が11匹も。
視覚障害者にとってルナは、人間の力では到底及ばぬ蔭の強い味方なのです。
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