編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利       NO.228 2014.9.17  掲載

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  利口なプードル・けん太

   ――代官山・福地さん宅ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


  掲載記事:昭和61年12月1日発行本誌No.36 号名「栃」
  

  文:高橋園子
(高校生 中野区野方) 
写真・文:一色隆徳(祐天寺)


   


けん太くんのお話をされる奥様・淳子さん



    家族の会話を理解する頭のいい、けん太くん


  玄関のチャイムを鳴らすやいなや、ドアのむこうからはもう元気な声が……。プードルというと、家の中では誰が来てもおすまし顔で座っている、というイメージがあったのですが……。

 「うちのけん太はね、私が2階にいたりして、お湯が沸いたりチャイムが鳴ったりするのに気付かないと、タタタ…って上がってきて知らせてくれるんですよ」
 と奥さまの淳子さん。また、クリーニング屋さんの車がバックをするときの「ピ・ピ・ピ…」 の音を聞いても、クリーニング屋さんが来た、と教えてくれたんだそうです。ところが、
 「前のクリーニング屋さんは少し遠かったので、違うお店に代えたんです。けん太のそばでその話をしていましたら、もう次の週からはピ・ピ・ピ…≠ェ聞こえても黙っているんです。人間が話す言葉なんか、全部理解しているんでしょうね」。
 このほかにも、お嬢さんの美賀さんからかかってきた電話は、淳子さんの受け応えの口調で察してしまうとか。プードルは頭がいい≠ニ言いますが、それにしてもお利口さん
ですよね。




   命の恩人、酒屋のオヤジさん


 
そんなけん太くん、檻の中にいるときには、「ボクもみんなと遊びたいよォ」と、後ろ足で立ってピョンピョン。犬にとって後ろ足だけで立つというのは、ヒトが逆立ちするくらい大変なこと、と聞いたことがありますが、けん太くんは後ろ足だけでジャンプ・直立歩行はもちろん、なんとボクシングまでしてくれました。

 ついこの前は、悪いことをしたので美賀さんが小さいバケツをけん太くんに持たせ、「そこでそれを持って立ってらっしゃい」と、おしおき″。反省した(?)けん太くん、1時間以上もバケツを持って立っていたそうです。

 さて、このけん太くんが福地家へ来たいきさつを少し。
 約5年前のある日、ご主人の一雄さんと美賀さんが近所をお散歩中、ケンネルにいた、まだ2カ月のホワイトセシリア・オブ・ケネルチズ″(けん太くんの血統書名です)。この子犬に一目惚れ。お店の方の好意でその場で福地家の一員に。以来、皆にかわいがられ、元気だけれど他人を絶対噛まない紳士≠ニなったわけです。

 でも、犬には誰にでもどうしても合わない犬がいるものです。そんなとき、けん太くんはツンっ!≠ニそっぼを向いてしまい、一度嫌われたワンちゃんはもうけん太くんの眼中には入れません。

 こんなところ、なんかヒトそっくりだなぁなんて、思いませんか?
 一雄さんのいる時には、懸垂(けんすい)も見事に成功させるとか。

 こんなけん太くん、もはや代官山の有名犬≠ノなる日も近い!

 


立つぐらい、おちゃのこさいさい!
ジャンプ、直立歩行、ボクシングだって…





 
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