編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利    NO.221 2014.9.14  掲載 

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豹の仲間6頭と暮らすロッキーくん

――代官山・活ノ太利屋のビル屋上でーー

  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:昭和63年2月15日発行本誌No.41 号名「榧(かや)」
   文:大谷敬子
(武蔵小杉) 写真:岩田忠利
   


「おお、よしよし」とロッキーくんと対面する菊池さん



    動物は、ぼくの友だち


 「代官山で豹(ヒョウ)を飼っている」そんな噂を聞き、半信半疑さっそく行って参りました。

 ここは代官山、「旧山手通り」とも「大使館通り」とも呼ぶヨーロッパムード漂う大通り。そのビルの屋上。

 飼い主はアパレル業界で躍進する活ノ太利屋社長の菊池英雄さん。伊太利屋製品にヒョウの絵柄が出てくるように、知る人ぞ知るヒョウの愛好家です。

 1頭だと思ったら、7頭と聞いてびっくり。「他にもフクロウや仲良し犬くん、お猿さんもいます」と驚かされっぱなし。

 きょうのところはヒョウくんと、内心おそるおそるのご対面となりました。

 名前はロッキー、アイシス、ジェフ、チビ、メリーちゃん、シーザーなど7頭も飼っていらっしゃる。菊池さんが呼びかけると、嬉しそうにロッキーが登場し、頭をすり寄せてきました。


   7年前から飼い始め、全頭が元気いっぱい


 ヒョウ、リンクスといった肉食獣ペットくんは、大きいのは60`を超えるそうで、真近で見たのは今回が初めて。迫力満点です。

 飼い主の「絶対、大丈夫」という言葉を信じて、首をなでてみると毛は硬めでモコモコ、やはり野性の動物といった感じ。
 ところが、菊池さんに甘える時の表情やクンクンと匂いを嘆ぎわける仕草はネコに似ていて、とても愛らしいのです。



体重60`以上のロッキーくん、仕事が忙しくなかなか会えない菊池さんに久しぶりに会い、甘えるロッキーくん



 さて、猛獣というとエサや運動だって大変。「食事は2日に1度。牛肉や鶏肉を食べます。運動はネコ族なのでタテの動きが多く、普段はオリの中で充分。休日に郊外の自宅の庭で運動させます。苦労というほどのことはないけれど、暖かい所の動物なので1年目の冬を越すのに風邪をひかせないように気を遣っています」と菊池さん。
 7年前から飼い始めたそうですが、全頭が元気印いっぱいなのは飼い主の愛情の賜なんですね。



「わっ、もっとそおっと舐めてくれえ! 舌がザラザラで、痛いよ〜!」
ロッキーくんの愛情表現は菊池さんのほっぺたを舐めまわすこと




    野生の美しさ、偽りのない世界に惹かれて・・・


  猛獣といわれるペットくんを飼うきっかけは、「野性の美しさ、偽りのない世界、そういう動物を見るとホッとするから」。
 菊池さんのホッペをなめまわしているロッキーくんを見ていると、本当にうなずけます。人間と野性の動物の距離がこんなにも近いなんて。偽りのない愛情を感じました。

 「時間とお金と場所があれば、もっといろんな種類の動物を飼ってみたいね」。
  
菊池さんとペットくんの夢は、まだまだ広がります。


                               
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