編集支援:阿部匡宏/ロゴ:配野美矢子
編集:岩田忠利     NO.214 2014.9.12  掲載 

        画像はクリックし拡大してご覧ください。

           

    ボクは強〜い猫なんだ

  ――日吉本町・高野家のシマ君ーー


  沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』。好評連載の“復刻版”


   掲載記事:昭和55年9月30日発行本誌No.2 号名「秋
   文・イラスト:板山美枝子
(綱島)
   



    暴れん坊で去勢されちゃったボク


 皆さん、コンニチワ! ボクは、トラネコのシマ≠ナす。年齢は6歳。体重が6キロあって、ちょっとした体格なんだ。ボクの自慢は、このツヤツヤした毛並み。

 ボクが生まれた所は、犬のオバサンの富岡さんていう家です。そしてまだ、ちっちゃな頃にこの家に養子に来たんだ。

 ボクは暴れん坊でお隣の猫としょっちゅうケンカしてたものだから、ご主人が困
りはてて、とうとう去勢されてしまったんだ。おかげでボクは少しおとなしくなったけど、オカマ猫なんて言わないでくれよ。

 それでもボクは、犬なんか平気でやっつけちゃうし、自動車だって怖くな
い。それで、いつも道のまん中で昼寝していたものだから、シッポを車にひかれてこのとおり。



シッポ? これは交通事故の後遺症さ





     ボクにも怖いものと、好き嫌いがあるんだ・・・


  そんなボクにも怖いものがあるんだ。地震・カミナリ・火事・オヤジっていうけど、ホントだね。

ボクはカミナリとこの家のパパが怖いんだ。パパは猫がキライなんだって。だから、ボク、パパが帰って来ると、大きな身体を縮めて、テレビの下とか部屋の隅へ退却してるんだ。

 カミナリが、あの恐ろしい声で、ゴロゴロゴロって鳴っている時なんかも、思わず「ギャッ」って飛びあがってしまうな。いつもは風格のあるこのボクも、片なしだな。


  それから、イヤなのは雨。なにしろ、雨が降った時は、外に出るのがいやだから、水を飲まないようにして、おトイレをガマンしてるんだ。

 でも、この世にはイヤなものばかりじゃないよ。ボクの大好きなものはマタタビ。なにしろマタタビをもらった時は、うれしくてうれしくて、部屋中ころげまわっちゃうんだ。
 それと、この家のママも大好き。ママが帰って来ると大喜びして、抱きついちゃうんだ。(だからパパが嫉妬してるのかな?)おつかいに行く時なんか、途中までお見送りして帰って来るまで、そこで待っているんだ。忠犬ハチ公も顔まけさ。



 

  高野さんのお話


 買い物に行く時はついて来るんですよ。ここをまっすぐ行って、そこの角までついてきて、そこより先へは絶対に行かないんです。そこで私が帰って来るまで待っているんですよ。

 
たまに私が方向を違えて帰って来て、あとで迎えに行くと、やっぱりその場所でちゃんと待ってるんです(笑い)。だから可愛いんですよ。

                     
                                              
「とうよこ沿線」TOPに戻る 次ページへ
「目次」に戻る