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さまざまな農機具や生活の道具も… 各家には、当時の農機具や生活の道具が展示してある。取材の時期は12月だったので、地方の年末の慣わしの道具も展示してあった。人々の生活のようすもうかがえる。 農道具の前で私は、一人ポツンと「懐しいなあ」とつぶやいているおじいさんを見つけた。そばに行くと、 「これは蚕(かいこ)の繭を置くワラを作る機械で、わたしらはこれを実際に使っていたんだ」 と教えてくれた。東京郊外からやってきたというおじいさん。若い頃はそれらを使って農業をしていたという。「今は使い捨ての時代で、すべて楽になってきた」とひとりごとのように言っていた。 石臼の前で『うすひき歌』を教えてもらった。 ♪おまえちゃんとなればな〜い どこまてもよ〜〜 一つ一つの労働に歌があって、それを歌いながら仕事をしたという。オートメ化の今とちがって、確かに仕事が辛かったのかもしれない。辛さを歌にしてまぎらわしたのか、仕事が楽しみであり、それは喜びの歌であったのか……。 最後に、「81歳のおじいちゃんと握手をしよう」とさし出してくれたおじいさんの手のぬくもりは、民家園を見終わった後の私の心のようだった。
川崎市立「日本民家園」案内 場所:川崎市多摩区生田9300 交通:小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口から徒歩15分 時間:9時半〜16時30分(入園16時まで) 現料金:小人、学生…300円 中学生以下…無料
大人(20歳以上)…500円
65歳以上…300円(川崎市在住無料)
団体割引あり 休み: 毎週月曜日 電話: 044―922―2181