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編集支援:阿部匡宏 |
編集:岩田忠利 NO.170 2014.8.18 掲載 |
★画像はクリックし拡大してご覧ください。
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沿線住民参加のコミュニティー誌『とうよこ沿線』の好評連載“復刻版”
掲載記事:昭和60年6月1日発行本誌No.28 号名「栴(せんだん)」
構成・編集 :岩田忠利(編集長) / イラスト ・マップ:石野英夫(元住吉)
協力:田中定完(蜜蔵院住職) / 内田栄治(とび職頭)
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往時の沼部界隈
明治・大正の頃の沼部かいわいは、近在の町の中では門前町・池上に次ぐ賑やかさだった。
江戸時代の中原街道は、「相州往還」・「江戸新道」とも呼ばれ、参勤交代の通過や物資の陸上輸送が頻繁だった。と同時に沼部には丸子の渡しの渡船場があり、多摩川の上下流の水上輸送の拠点でもあった。
マップで見る大正末期から昭和初期の時代には多摩川に関連した業種が目につく。渡しの船頭、砂利運搬の荷馬車用の馬小屋、上流から筏で材木を運ぶ筏師の宿、木挽や、そして砂利採掘の村民も多かった。
大正12年、さくら坂の切り下げ工事が実施され、その勾配は緩やかになった。今でも旧道の一部が割烹大国の前に残っているが、それは急な坂である。(岩田)
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大正9年(1920)3月、多摩川で軍事教練
後方は浅間神社。東横線の鉄橋も調布堰も、丸子橋もありません。
提供:杉田屋呉服店(田園調布本町)
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大正14年12月沼部上空から開園直後の多摩川園遊園地と多摩川
東横線の多摩川橋梁は完成していますが、まだ東横線は開通していません。翌年15年2月に丸子多摩川駅(現多摩川駅)〜神奈川駅間が最初に開通、目蒲線に接続し目黒まで行けるようになりました。その先、丸子多摩川駅〜渋谷駅間が開通したのは、その翌年、昭和2年のことでした。
丸子橋はまだ架橋されず、多摩川の左岸に丸子の渡しの渡船場と右岸に沼部の渡船場の施設らしき物が見えます。六郷用水が白く太い線で沼部に向かってくっきり描いたようです。
撮影:渋沢秀雄さん((田園調布3丁目。田園調布会・会長)
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昭和7年の丸子の渡し
土手の向こうに見える鉄塔が東急多摩川線(平成12年8月以前まで目蒲線)。右方向は沼部駅、左に多摩川駅(旧多摩川園駅)。
丸子橋が昭和10年5月に開通するまでは中原街道の東京側と神奈川県側を結ぶ重要な“足”でした。
提供 :山本五郎さん(丸子山王日枝神社宮司)
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掲載記事:平成2年12月15日発行本誌No.52 号名「楡(にれ」
構成・編集 :岩田忠利(編集長) / イラスト ・マップ:石野英夫(元住吉)
復元:水上市郎平(沼部)
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沼部商店会の移り変わり
文:水上市郎平さん(大田区田園調布南町)
沼部の商店会が発足したのは終戦の翌年、昭和21年9月のことである。
竹下組の竹下幾太郎社長が沼部駅前の畑に建てたマーケットに10店が出店したのをきっかけに「沼部サービス商店会」(会長吉田正英氏)を結成した。
その後、周囲に住宅が増えるにつれ店がボツボツ建ち、昭和25年には40店の組織となっていた。
以来44年、ひと口に44年というが実に長い。私の店も四十数年になるのでよくわかる。浜蝶の主人は当時の朝鮮で料理店を営んでいたが終戦で命からがら裸同然引き揚げてきた。おそらく開店当時から今日までの道のりは語り尽くせぬものがあろう。
沼部商店会は現在約120店あるが、発足時の店は、わずか十数店しか残っていない。いかに社会の変動が激しいものだったか…。
そんな中にも、桜坂の森米店の創業110年余の4代目や大勝工務店の創業103年3代目まで、そして小松屋豆腐店は2代目で66年間も連綿と続いているのである。
老舗はなんといっても米や酒などの食料品関係の店に多い。また立地的には、角店に古い店が多いこともわかった。
近隣に大型店がますます増える傾向にあるが、どの店も末長く存続して欲しいものだ。
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昭和18年、防空壕を掘った沼部の主婦たち
太平洋戦争が激化してきた昭和18年、男性は未成年者でも家族持ちでも召集令状、いわゆる赤紙一枚で戦地へ引っ張り出されました。家庭に残る男は子どもと老人だけ。銃後を守る沼部の主婦の皆さん、ついに家族を守るためスコップを手に硬い赤土の土手と格闘して防空壕掘りに挑戦! 背後の防空壕がその完成したものです。いつの時代でも日本の女性は強かった。
提供:清水き一さん(田園調布本町。大勝工務店)
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昭和25年8月、戦後復活3回目の浅間神社祭礼
沼部駅前の多摩堤通りを練り歩く神輿。担ぐのは田園調布本町と田園調布南町の若者。店から顔を出す「うなぎ浜蝶」の初代の姿が……。
提供酒井千里さん(田園調布本町)
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