時代が遡る…仲見世通り
この六角橋商店街のすぐ裏に、商店街に平行して、アーケードを持ったうなぎの寝床のような細長い商店街がある。その商店街に、いみじくも付けた名前が「伸見世通り」。二人の人がすれちがうのもむずかしいほど、両側の店の商品がせり出しているのも、活気ととられるようなムードだ。
中に、昔懐かしい駄菓子屋さんがあった。子供が大勢店にいて、ガムを噛みながらクジを引いていた。何だかタイムカプセルの中にいるような気がして、思わず店に入ってしまった。
昔は、こういう駄菓子屋には、中年過ぎのおばさんが店番をしていたものだが、このお店は、若い娘さんが立ったまま漫画本を読んでいた。袋菓子を2個ほど買うと、その応対は想像以上の親切さだった。あるいは、いまおばさんの代わりにちょっと店番をしているのかも知れない。
すっかりよい気分になって、近くの飲み屋でちょっと一杯やりたくなったが、まだ陽が高いのでやめた。ともかく、うれしいムードで溢れている。
がらり変わって高級住宅
これまでは、白楽駅から神奈川区地籍の六角橋の方へ足を向けていたが、こんどは西口駅前から港北区になる篠原台町の方へ行くと、ムードががらりと変わる。このあたりの高台一帯は、県知事公舎をはじめ、高級住宅、公園、社寺などが多く、山の手ムードに一変する。
江戸時代には、本郷三丁目から山の手あたりに相当すると文献にあるが、現在の白楽は、下町と山の手が背中合わせに共有している珍しい街である。
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