編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏
                   NO.48  2014.5.18 掲載
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ガーナ 西アフリカのガーナ共和国見聞録
 
ガーナの文化

                投稿:浦野 勝雄 (世田谷区給田)                        


 
        負の世界遺産・・・奴隷を搬出した港の要塞


  案内人の説明に耐えられない白人も・・・

 奴隷を搬出した港の要塞が現在世界遺産に登録されています。ゴールドコーストに2か所あり、エルミナ城とケープコースト城です。

これらの城は“城”と呼んでいますが、一般に考えられる城ではなく、要塞です。

城の内部に軍人のトレーニング場などもあり、とらわれた黒人が収容された各部屋は窓もなく、あっても高いところに小さい窓があるくらいのもので、部屋の中は少ない人間でも蒸し暑くなっています。絶対に逃走できないような構造になっており、狭い通路から直接岸壁の船に乗せるようになっています。城の案内人は、いかに搬出前の奴隷がひどい状況であったかを説明します。

それは想像に絶するものであったようです。まるで動物を船に積みこむような感じでした。一緒に見学していた白人は、説明に耐えられず外へ出て行きました。

制服を着たガーナの小中学生がたくさん見学していました。自国の歴史を知ることは良いことだと考えますが、子どもたちはどんな心境で案内人の説明を聞き、どんな印象を持って帰るのでしょうか。

白人がすべて連れ去ったように言われていますが、黒人も黒人同士の部族闘争で敗れた部族の人たちを送り出したようです。

世界遺産で有名な城を見学しても後味の悪い、悲しみのみが残る見学でした。



 世界遺産「ケープコースト城」 20132

 
城の反対側が岸壁になっています。この城の外国人入場料は高い。たぶん日本円で4000円くらいだったと思います。それに内部の写真を撮ると、さらに数千円の料金が必要になります



世界遺産「エルミナ城」

城の屋上に大砲が見えます
  20132




屋上に見えた当時の大砲










首都アクラ市にある博物館「野口英世博士記念館」



  自筆の「忍耐」の文字入り額

 ガーナの首都アクラには野口英世博士の研究室が残され博物館になっています。6畳ほどの研究室の壁に自筆で書いた「忍耐」の額がかけられている。

現在でもアフリカの地で仕事をしていると、忍耐が必要なこともあります。この字を書いて額にいれて毎日眺めながら研究をつづけた博士の心中が痛いように分かります。凡人の私など、その時代では生活するだけで忍耐、忍耐。でも、当時の日常生活すら堪えられたかどうか疑問です。

現在でも農村地帯では黄熱病、髄膜炎、マラリアなどの病気が報告されています。旅行中は病気を媒介する蚊、その他の病気のウイルス、飲食物などに注意が必要です。

現在都市のホテルは近代的で、なんら心配はいりません。しかし、八十数年も前に野口英世博士は船で米国から到着し、生活環境は劣悪、冷蔵庫はもちろん、扇風機もなかったであろう、熱帯での生活は想像以上に大変だったことでしょう。風土病は蔓延し、現地の人々の生活は極貧状態であったと思われます。


 野口博士は現在の日本・ガーナ親善に大きな功績

 黄熱病に苦しむ現地の人々を助けようと黄熱病の研究に没頭された博士の偉大さが分かると同時に博士のような日本人がいたことを誇りに思っています。

野口博士の功績のためにガーナ人は大変親日的で、博士は現在の日本・ガーナの親善に大きく貢献しています。



博士の研究室と忍耐の額            2012/11



  Health Laboratory Service Headquarters    2012/11

Health Laboratory Service Headquartersの一角に設けられた野口博士の記念館



記念館への案内板     2012/11











野口英世博士夫人 Mary Noguchi

  


博士の写真と使用した顕微鏡




記念館の庭にある博士の胸

                  民俗舞踊・・・アフリカ人は踊り好き


 
アフリカの民族舞踊の楽器は鉦、太鼓、笛。これらは日本の伝統芸能の楽器とも共通しています。

 式典などに招かれて参加者の前で歌舞を披露する民族舞踊団の踊りは素晴らしい。

プロの舞踊団は別として、アフリカの人たちは踊りが根っから好きです。職場の昼休みなどで、ラジオの音楽が聞こえてくるとすぐに、女性は腰をくねらせ踊り出します。



 軽快に踊る子どもたち

 軽快にリズムに乗れるのは小さいころから踊りの環境に育っているためでしょう。小さい子供も大人の輪の中に入り、見よう見まねで上手に踊ります。日常の苦しい生活も陽気に歌い、踊れば忘れ、活力がわいてくるのでしょう。素晴らしいストレス解消術です。



   ガーナの民族舞踊団  2012/11

太鼓と笛で踊り、歌う。楽器は男性、歌と踊りは男性と女性


                   工芸品・・・木彫り

 ガーナでは街中で工芸品をあまり見かけません。週末の市場へ行くとたまに見ることがあります。アフリカの木彫り工芸品は日本市場で売られている細長い人物像、象の彫り物など、どこの国の木彫りも似ています。
 ガーナでは木製椀を彫っていました。荒らさは目立ちますが、実用には問題ないです。


 右の写真は、植物園からの帰路出合った工芸品製造販売の店。店の右隣で製作しています。
 どんな工芸品を作っているのか興味があり、立ち寄ったところ、この女性は商売上手で、あまり欲しくはなかったのに、木製椀を買う羽目になってしまいました


立ち寄った工芸品製造販売の店



レストランの通路にかけられた彫刻 2012/12






アサンテ王国時代の黄金の玉座を模した台 2013/2

 ガーナでは黄金の玉座を模したと思われる建物、モニュメントなどが多く見かけます

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