編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏
                     NO.47  2014.5.18 掲載
                             文・写真:浦野 勝雄 (世田谷区給田)  
★各写真をクリックし拡大してご覧ください。 
ガーナ 西アフリカのガーナ共和国見聞録
 
ガーナという国
                                             

 野口英世博士とガーナチョコレートで知られているガーナ……。この国への飛行は成田〜ヨーロッパ間約12時間、ヨーロッパ〜ガーナ・アクラ間約6、7時間かかります。

 私のガーナへの渡航キャリアは2009年から2010年に半月ずつ2回で約1カ月、2011年から2013年に3回で約2カ月、延べ約3か月ほどガーナに滞在したことになります。
 
 この3ヵ月間にガーナで見たり聞いたりした体験を、写真と文で紹介してみましょう。




 まずガーナの基本情報を外務省のホームページから引用し、その概要を見てみます。


 西アフリカの“優等生”、ガーナ

 ガーナ共和国は最近西アフリカの優等生と言われ、西アフリカのゴールドコーストに立地する国です。南はギニア湾、北はブルキナファソ、東はトーゴ、西はコートジボアールに面しています。

国土は日本の約66%(238千平方キロメートル)で2550万人の人が暮らしています。
 首都アクラはアフリカ西部ギニア湾に面し海岸から20キロ内陸まで都市が広がり人口229万人(
2012年統計)で、政治・経済・通信・交通の中心。主な産業は食品・木材の加工、紡績・被服の繊維業、化学などです。

GNIは一人当たりUS1550で世界銀行によると中所得国に属します。
 民族は主にアカン族、ガ族、エベ族、ダゴンバ族、マンブルシ族でそれぞれ固有の言語を持っているので英語が共通語です。
 宗教はキリスト教徒が約
50%、イスラム教徒が15%、その他、土俗宗教です。キリスト教徒は主に南部に居住し、イスラム教徒は北部に居住しています。独立前はイギリス領ゴールドコーストでしたが、1957年に独立しガーナとなり、初代大統領は有名なクワメ・エンクルマ。

 国土の約65%はボルタ川水系に属し、南部の海岸沿いは熱帯雨林気候ですが、国土は開発され、昔ながらの熱帯雨林はほとんどありません。北部はサバンナ気候で、雨が少なく農業の生産性も高くありません。


 治安良く、観光に適した国


 日本からの飛行はヨーロッパ経由と中東経由で行くことができます。飛行時間が長いので、観光で行く人は少ないようです。ヨーロッパからは約67時間の飛行ですので、多くの人が観光に訪れています。
 治安も良く、西アフリカの風土を楽しむのには最適な国だと思います。日本からは
2006年小泉総理大臣が、また20103月には皇太子殿下も訪問しています。



ガーナの地図



人口229万人の首都アクラ市






  首都アクラ市の特異な気候


 
右の図はアクラ市の雨量と気温を示したものです。11月から月までは雨がほとんど降りません。

 一年中、昼間の気温は30℃以上もあります。そのため雨季になると湿度が高く、蒸し暑くなります。ガーナだけでなくサブサハラ地方全体の特徴です。

 粉砂「ハマターン」舞う乾季

 
乾季にはサハラ砂漠から「ハマターン」と呼ばれ細かい粉砂がやってきます。日本の黄砂に似ていますが、風のない日も粉砂は空中に漂い、少しずつ降りてきます。その頻度は多く、長い期間続きます。

一晩で車のフロントガラスが見えなくなることもあります。太陽も砂雲の後ろで輝いていますし、景色も砂で霞んで見えます。現地の人は日射が遮られ、涼しくなると喜んでいる人もいます。しかし、細かい砂を吸い込むため、気管支炎など呼吸器官の病気が多いようです。



11月から2月まで雨が殆ど降らない乾季



 ハマターンで太陽光が遮られ、太陽はこのように霞んで見えます。気温も当然下がり、少し涼しくなります  2012/2 



ハマターンの砂塵をかぶり、一晩で白くなったアクラ市内のホテル駐車場の車   2013/2



     経済成長率7.2lと高く、政情も安定のガーナ。世界の企業が注目


 
ガーナ経済は従来「金、カカオ豆、木材」の輸出に依存していましたが、2010年から石油の採掘がはじまり、輸出も開始されました。
 2012
年度の経済成長率は7.2%と高く、高い成長が続いています。しかし、一次産品に頼る経済のため、若者の失業率が高く、職のない人々は路上で生活用品などを販売して飢えをしのいでいます。

ガーナは西アフリカの中心的な位置にあり、政情も安定して民主的な選挙で大統領が選出され、平和的に政権交代も行われています。これからの発展が期待され、世界中の企業が西アフリカ進出のセンター国としてガーナに注目しています。日本からも多くの企業が進出を計画しています。

 

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