NO.5

2012.10.19〜 掲載10種

08. 樹木に不思議な物体、ニカワツノタケ(膠角茸)

ニカワツノタケの群生
ゼラチン状でクラゲみたいな感じです
所在地 東京都立川市緑町3173  昭和記念公園
科・属 シロキクラゲ科ニカワツノタケ属 食用可否 食不可
見どころ

先端が尖っているのが名前の由来、ニカワツノゴマ
 日本特産です。 秋に広葉樹の材上に群生します。最初、私は「ナギナタタケ」かな?と思いましたが、それは地上から生えるので分らず、会長に尋ねましたら即、「ニカワツノタケ」と回答してくださいました。
 最初は球形でのちに角型に、まれに先端が二股に分岐して液状化します。表面は平滑で中実、色は幼菌時は暗紫色、のちに先端が白色になります。成熟後は帯赤褐色となります。肉はゼラチン質で乾燥しているときは軟骨質で縮んで細くなります。
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.19
02. ミカンを剥いて開いた感じです、エリマキツチグリ(襟巻土栗)

まるでミカンを中途半端にむいた感じでした
所在地 東京都立川市緑町3173  昭和記念公園
科・属 ヒメツチグリ科ヒメツチグリ属 食用可否 食不可
見どころ  落葉の多い暗い森林の下を好みます。私は1個だけ見つけました。図鑑ではよく「ツチツグリ」と名は覚えていましたが、正確には、分りませんでした。本物に対面でき、嬉しかったです。
 ツチグリの仲間にはいくつか種類があり、エリマキツチグリの場合は老成するにつれ「実」の周りに「えりまき」ができることが多いそうです。外皮(星型の部分)が内皮(中央の球形の部分)の周りで襟巻き状に裂けることが特徴で名付けられました。
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.19
01. 木の実のように見え、「晴天の旅行者」と呼ばれる、ツチグリ(土栗)

成熟すると外皮は7片から10片に裂け、星形に開きます
所在地 横浜市港北区新羽町の山道
科・属 ツチグリ科ツチグリ属 食用可否 内部が白い幼菌は
食用可
見どころ
 別名ツチガキ(土柿)と呼ばれ、夏から秋、林内の道端や土の崖などで普通に見られる中型のキノコです。若いうちは直径3センチぐらいの黒褐色の堅い球体ですが、成熟すると厚い外皮が星形に裂けて反り返り、薄い皮に包まれた球状の袋が現れます。星形の外皮は、湿っているときは開いて、座布団の上に胞子の入った袋が乗っている形です。乾くと再び閉じて球状になり、そのとき内部の袋を押しつぶし、袋の中の胞子を先端の穴から飛散させます。
 球状になると風に吹かれて地上を転がって移動します。そして別の場所で湿気を帯びると、再び星形に開きます。晴れた日に移動することから、「晴天の旅行者」とも呼ばれるそうです。東北地方の南部(特に福島県など)ではマメダンゴやママダンゴと呼ばれ、6月下旬から7月上旬にかけての梅雨の時期に味噌汁の具や佃煮などにされます。

湿っているときは開いていますが、乾くと再び閉じて球状になります。球状は直径3センチほど

雨が降ったり止んだりの日に見つけましたが、中の胞子がくずれてキノコはだいぶ傷んでいました
  
担当者 八城幸子 撮影日 2012.10.17

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10. 傘と柄は白。幼菌時、傘の中央にイボがある、シロイボカサタケ(白疣傘茸)

真っ白い傘と柄は、薄暗い森の中でひと際目立ちます
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 イッポンシメジ科イッポンシメジ属 食用可否 食不可
見どころ
 手元の図鑑とインターネットで傘と柄がが白く、ツバとツボが無く、地中から出てくるキノコを片っ端から20種類ほど調べました。やっと似たキノコ、「シロイボカサタケ」を見つけました。
 傘の中心部に幼菌のうちは縦横1〜2ミリのイボがあることが名前の由来ですが、イボが取れると、そこがこんもり盛り上がっています。傘も柄も白、ヒダは淡い茶色、柄は先から根元まで同じ太さ、ツバもツボもありません。傘径4センチ、柄の長さ5センチの小型のキノコです。

イボのあった傘の中心部は、こんもり盛り上がっています
 

ヒダは密、色は薄い茶色。柄は先から根元まで同じ太さ、ツバもツボもありません
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.19
09.高級な中華料理に利用される、シロキクラゲ(白木耳)

キノコには見えませんね。まるで水晶みたいです
所在地 横浜市港北区岸根町725−1 岸根公園
科・属 シロキクラゲ科 シロキクラゲ属   食用可否 食用(美味) 薬用
見どころ  遠くから目立ち、これ何? 樹木に生えていました。これが中華料理などの材料になる「シロキクラゲ」だと分りました。
 春から秋にかけて、広葉樹倒木や枯枝に発生します。形は不規則で、花びら状。子実体はゼリー質で白く、半透明です。高さは5センチくらいになります。裂片の表面は平滑で外縁部は波打つか不規則に切れ込みます。シロキクラゲから抽出され、高い保湿力を持った安全な純天然の植物性多糖体です。
 美容を維持するためには良いですね。中国では現在でも不老不死、美肌の高級食材として珍重されています。
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.21

2012.10.2 開設

07. 赤くてかわいいが毒キノコ、ドクベニタケ(毒紅茸)

傘は若いうちはまんじゅう形、成長すると平らに開き、やがて反り返ります。鮮やかな赤色も雨などにより退色します
所在地 横浜市青葉区寺家町 里山の雑木林
科・属 ベニタケ科ベニタケ属 食用可否 毒キノコ
見どころ

ヒダは密で白色、柄も白色で、内部は空洞がありスポンジ状です
 雑木林の中で見つけました。夏から秋に、さまざまな森林下に発生します。傘は鮮やかな赤色でまんじゅう形から平らに開き、やがて反り返ります。傘の皮がはがれやすいのが特徴です。雨などによって色が落ち、白くなっていることもあります。ヒダは密で白色。肉は白色でとても辛くて苦いそうです。柄も白色で根元がやや太くなります。食用にはなりません。
 輪になって発生することがあり、ヨーロッパでは「フェアリーリング(妖精の輪)」と呼ばれていて、この輪の中に入ってしまうと妖精の世界から二度と帰ることができなくなると言い伝えられているそうです。  
 ★このキノコに似た傘が赤く白いイボがあるのが、可愛くて誰からも愛されているキノコ界の“大スター”、ベニテングタケ(紅天狗茸」です。下の「ノコちゃん」のアイコンがそれです。探して投稿してください。(岩田忠利)
担当者 北澤美代子 撮影日 2012.10.15
06. ヌメリが凄い、ヌメリササタケ(滑り笹茸) 

上のナラタケと同じ所、泥道の登山道。傘の粘りっ気が強いうえに背の低い幼菌の傘は、3日続きの雨で泥だらけ
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 フウセンタケ科フウセンタケ属 食用可否 食用
見どころ

根元から傘の天辺まで7センチ、水で洗った左のキノコ。地上に出たばかりで、まだ傘が半円形にもなっていません。傘は強いヌメリがあります
  コナラ、クヌギ、マツなどの混生林。3日続きの雨で地上から顔を出したばかりのヌメリササタケの赤ちゃんです。傘はもう一日経つと、丸山形になり、のち開いて扁平となります。ヌメリササタケの名のとおり、左の写真のように湿ると粘性が出て、傘がテカテカに光っています。それがまた、じつに美味しそうに見えます。
 食用キノコ。柄のコリコリした食感が堪らないという人が多いとか。 
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.19
05. 味良し、歯切れ・舌触り良し、キツブナラタケ(黄粒楢茸)

泥道の登山道に生え、泥を被っています
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 キシメジ科ナラタケ属 食用可否 食用
見どころ
 樹木が鬱蒼と生い茂り、昼なお暗い場所の切り株から束生していました。まだ幼菌で傘は径2〜3センチ。表面は淡黄褐色、中央部に細かい鱗片があり、周辺には放射状の条線が微かに見えます。ヒダは多少垂生し、淡褐色です。柄は6〜3センチ、下部がやや膨らみ、繊維質、淡黄褐色で、下半分は黒味を帯びています。上部に同色のツバがあります。
 ナラタケは全く癖がなくどんな料理にも使えるうえに、歯切れ、舌触りがよく、ほのかに甘い香りがある美味で、広く食用にされています。ただし、生食すると中毒するそうです。
 ナラタケモドキ(楢茸擬)との違いは、ツバが無いのがナラタケモドキ。

きれいになって柄にツバが見えます

幼菌ですが、中央部に細かい鱗片があり、周辺に放射状の条線が微かに見えます。時間がたつと傘の上部の茶色が淡くなります
  
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.19
04. 珊瑚状のキノコ、コガネホウキタケ(黄金箒茸)

キノコのイメージは微塵も無く、まさに珊瑚ですね
所在地 東京都立川市緑町3173  昭和記念公園
科・属 ラッパタケ科ホウキタケ属 食用可否 食不可
見どころ  公園の雑木林のなか1ヵ所に散らばって生えていました。子実体は黄金色で根元は白色。高さは5〜12センチ程度。胞子は長楕円形。胞子紋はくすんだクリーム色。根元は白くて太く、サンゴ状です。食べられません。
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.19
03. 毒キノコ集団、テングタケ(天狗茸)属の一種

傘の直径8.5センチ。赤紫色で中央部が膨らみ、茶褐色。傘の周囲は内側に丸みがり、条線があります
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 テングタケ科テングタケ属 食用可否
見どころ
 インターネットで「テングタケ科のきのこ」で画像検索すると、あるわ、あるわ、400枚ほどの写真がずら〜っと並んでいます。カラフルな色彩といい、ユニークな形といい、テングタケ科のキノコはどれも個性派ぞろいです。
 こんなに多くのテングタケの仲間のうちでも食用になるのは、タマゴタケ(玉子茸)とカバイロツルタケくらい。あとはみな毒茸だ、と覚えたほうが安心です。そこで、私はまずテングタケ科のキノコの姿形、特徴などを徹底的に頭に叩き込むようにしています。

ヒダはきれいな赤紫色。現地では、ツバはヒダを覆っていた膜が破れ、一部がツバとして残っています

柄は白く、先から根元まで同じ太さ、ツバがあり根元が球根状というテングタケ科共通のスタイルです
  
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.19
キノコは初心者です。名前を間違っているかも知れません。
ご存じの先輩の皆様、誤りをメールで教えてください。

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