NO.4

01. 傘に赤褐色の鱗片を密生する、サマツモドキ(早松擬) 別名:アカゲタケ

大きな木の根元の割れ目にこんな風に生えていました
所在地 横浜市港北区大倉山 大倉山公園の緑地
科・属 キシメジ科 サマツモドキ属 食用可否 食用不可
見どころ
 サマツモドキは、梅雨期から秋にかけて、杉や松類の倒木上や切り株上に多く発生するとのことですが、見つけましたのは、大きな木の根元の割れ目でした。
 傘は直径4センチ〜15センチで、はじめは鐘形で、のち丸山形、その後ほとんど扁平になります。表面は乾燥しており、黄色地に暗赤褐色の微細な毛がたくさんあり、なめし皮に近い感じで、ヒダは黄色、ツバも黄色で表面に赤い細点があります。非常に特徴的な姿です。
 昔の図鑑には食用と書かれていましたが、ある時期から毒きのこの仲間入りをし、 さらに最近の図鑑には人によって中毒して軽い下痢をおこすことがあると書いてあります。どれが本当なのか大いに迷いますが、 用心するキノコのひとつです。

柄は短く、太鼓腹のようにふっくら膨らみ、根元が細い。大変個性的なキノコです

柄の先端に薄いピンクのツバが丸く輪になっています
  
担当者 大田孝子 撮影日 2012.10.12

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10. キノコの大先生も初めて見たという、アンズタケ(杏茸)属の一種

傘の形は変則の半円形、表面は右寄りに窪み、波打っています
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 アンズタケ科アンズタケ属 食用可否 食不可
見どころ  
 アンズタケは夏から秋、松類の林に出ます。傘の色は普通オレンジ色がかった黄色だそうですが、このキノコは薄茶色。傘の形は浅いジョウロ形で生長すると傘の周りが不規則に波打つ。ヒダはシワのようにヒダどうしが繋がっています。これをアンズタケ科のキノコの特徴であるヒダの「脈連絡」というのだそうです。
 教えていただいたキノコの大先生は、傘の表面を見たとき、キツネタケの仲間、カレバキツネタケと直感したそうですが、ヒダを見たら脈連絡のあるアンズタケ科のキノコ。こうした傘とヒダが相異なる両方の特徴を持っているキノコを、先生は「今まで見たことが無く、図鑑にもありません」と断言されました。

ツバもツボも無く、この形はキツネタケの仲間、カレバキツネタケだと、キノコの大先生は判断したそうです

ところが、このヒダはヒダとヒダの間が連絡している。これを「脈連絡」と言うのだそうで、アンズタケ科のキノコ特有なヒダと指南されました
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.16
02. 猛毒です! コテングタケモドキ(小天狗茸擬)

傘は灰色で中央部が少し凹んでいました
所在地 横浜市港北区箕輪町3丁目 日吉の丘公園
科・属 テングタケ科、テングタケ属  食用可否 食用不可 猛毒
見どころ
 夏から秋に広葉樹林内で発生します。傘の径は6センチくらい、灰色で少し凹んでいました。傘の裏のヒダは白色で周縁はやや粉状。柄の長さは10センチくらいで、ささくれていました。根元は大きい袋状のツボがありました。テングタケ科はたくさんあり難しいです。

白色のヒダの周縁はやや粉状

白い柄はささくれて根元にはツボがありました。強い毒性の茸です
  
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.12
04. 茸の中でも知名度・人気度抜群の、シイタケ(椎茸)

木々が鬱蒼とした薄暗い場所。コナラの倒木に出ていた直径9センチ、柄の長さ7センチのシイタケ。
若いうちは傘の周りが内側に巻き、白い綿毛のような鱗片がありますが、生長すると鱗片はなくなります
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 キシメジ科シイタケ属 食用可否 食用
見どころ
 シイタケは若い頃、原木の“ほだ木”を田舎からもらって来て栽培したことがあります。このキノコだけはシイタケだとすぐ分かりました。天然物は虫食いや傘が開きすぎの老菌が多いものですが、無傷のシイタケ3個を手にしたときは、思わずニンマリ……。
 いまスーパーに並ぶシイタケの多くは、日本の農家の“ほだ木”栽培物ではなく、中国産の“おが屑”栽培物だそうですね。中国医学ではシイタケは生薬の「香蕈(こうしん)」と呼ばれ、貧血や高血圧に効くとされています。
 シイタケに姿形が似た毒キノコにツキヨタケがあり、よく間違えて食べて中毒になり入院騒ぎになるそうですが、その見分け方は暗い場所で青白く光ることです。ただし、老菌は光らないそうですからご注意を!

持ち帰って明るい光線の下で左のシイタケを撮影すると、傘の色は茶褐色に見えます
  

ヒダは密。柄にはササクレがあり、硬い。右の二つは幼菌のドンコ
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.16
05. 傘は黒褐色、根元が太い幼菌、ススケヤマドリタケ(煤け山鳥茸)

菅孔は淡い茶色で肉厚。傘と柄が暗褐色
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 イグチ科ヤマドリ属 食用可否 食用
見どころ
 夏から秋、コナラ・ミズナラ・シイなどの広葉樹林内の地上に出ます。このキノコに出合ったとき、「えっ、これ、なに?」と不思議なキノコに見えました。傘がビロード状で黒ずんだ色、柄が短く、根元がプクと膨らんだ姿……。
 編集室に帰って2本を観察すると、傘は4センチと3センチの幼菌で饅頭形。表面はヌメリはなく手触りの良いビロード状、肉厚です。菅孔は薄茶色。柄の中は詰まっています。根元の膨らみは幼菌のうちだけで、生長とともに同じ太さになります。キノコ特有の良い香り。食用キノコです。

傘の直径4センチと3センチの幼菌で饅頭形です

傘の表面はヌメリはなく、手触りの良いビロード状
  
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.16
06. 生長すると傘が反り返って漏斗状になる、クロハツモドキ (黒初

右は成菌、傘が反り返りはじめ、中央部が窪んできました
所在地 川崎市中原区井田1丁目 井田山
科・属 ベニタケ科ベニタケ属 食用可否 食可
見どころ
 湿りっ気のある混生林の地上に出ていました。最初、左端の2本を見つけ、撮影していると、すぐ横に下の幼菌と成菌が……。さらに目を凝らすと次々に発見、2メートル四方に10本ほど群がっていました。
 傘の色は外周部が白っぽく、中心部ほど黒っぽくなり窪んでいて、傘の縁に白い添加物があります。生長すれば傘は反り返る“じょうご形”になります。表面は初め白色、のち灰褐色から黒色に。ヒダは密。柄は白く、根元が球根状です。クロハツモドキは食べられるそうです。

手前は幼菌、左が成菌
  

ヒダはベージュ色で密。柄も同色で根元が球根状です
担当者 岩田忠利 撮影日 2012.10.16
08. キノコらしからぬ筆のような形の、キツネノタイマツ(狐の松明)

萎びていますが、穂先の黒い部分が悪臭を放ち、ハエを呼び、ハエで胞子を分散させます
所在地 東京都立川市緑町3173  昭和記念公園
科・属 スッポンタケ科キツネノタイマツ属 食用可否 食不可
見どころ  こんなキノコがあるのですね。残念ながらもう萎びていましたが……。もう会えないかもしれませんので、記念に撮影しました。
 灰白色の卵形の幼菌から、6〜12センチほどの長さの子実体が伸びます。橙色の子実体の頂部には、グレバと呼ばれる胞子を含んだ粘着性物質があります。穂先の黒っぽい部分に胞子ができるのですが、ネバネバしていて悪臭がします。この胞子塊がハエを惹きつける悪臭を放つことで、ハエによって胞子を分散させます。森林の朽ちた切り株付近の落葉に生育するそうです。
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.17

2012.10.2 開設

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2012.10.15〜 掲載10種

03. 猛毒です!  テングタケ(天狗茸)科テングタケ属の一種

傘の形はミニの重箱みたいな変わった形で、
黒光りしています
所在地 横浜市港北区箕輪町3丁目 日吉の丘公園
科・属 テングタケ科テングタケ属  食用可否 猛毒
見どころ
 科目名のテングタケ科と猛毒ということは分かりましたが、名前はいくら調べても判別できませんでした。
 傘は径5センチで黒光りしてました。傘の裏のヒダは荒い薄茶色、柄は猛毒だとは知らなかったので、帰宅してさわってみましたら空洞でした。柄の長さは10センチ。白色で筋が通っていてささくれていました。 

荒い薄茶色のヒダ 

柄には筋が入っていてツバとツボもありました
  
担当者 石川佐智子 撮影日 2012.10.12
09. キノコの緋色がまず目につきます、ヒイロタケ(緋色茸)

オレンジ色を帯びた鮮赤色が特徴、傘の周りに不明瞭な模様があります
所在地 横浜市青葉区寺家町 里山藪の中
科・属 サルノコシカケ科シュタケ属 食用可否 食不可。
薬種or染料
見どころ  

裏側はより濃い朱色で、びっしりと細かい管孔になっています
 鮮やかなオレンジ色に驚きました。春から秋、さまざまな広葉樹の切り株、枯れ木、枯れ枝に発生し、オレンジ色を帯びた鮮赤色が最大の特徴です。
 傘の周辺部には不明瞭な模様があります。雨に晒されると色褪せてしまうそうです。裏側はより濃い朱色で、何も無いように見えますが、実は表面は細かい管孔になっています。傘は扇形、半円形で扁平。径3〜10センチ、厚さ3〜5ミリ位です。コルクみたいで食べられませんが、乾燥しきったものは駄目ですが、しっかり水分を感じるものなら薬酒にすることができるようです。また、煮出して染料にもなるそうです。
担当者 北澤美代子 撮影日 2012.10.15
07. 黄色いキノコを見つけた! キイロイグチ(黄色猪口)

傘の色は中央部がやや茶褐色ですが全体が黄色。周りに菅孔を覆っていた膜が残り、柄にツバがあります
所在地 横浜市青葉区寺家町 里山の雑木林
科・属 イグチ科キイロイグチ属 食用可否 食用
見どころ
 雑木林の中で、地味な色のキノコばかりに出合っていたので、黄色いキノコを発見したときは、嬉しくなりました。幼菌時はレモン色の膜によって管孔が塞がれている姿が特徴的で、成長と共に破れて垂れ下がり、柄の途中にツバとして残ります。 見つけたものは、すでに5センチ位に開いていました。
 傘は初め半球形で後には、ほぼ平らに開き、表面の色はレモン黄色で中央部はやや褐色味をおびています。傘の裏は、柄も管孔もツバも黄色ですが、肉に非常に強い青変性があります。徐々に青色が消え、最後は褐色に変化します。キノコの発生時期は夏から秋です。食べられるようですが、消化不良等の中毒を起こすと言う報告もあるそうですので注意してください。 

鮮やかな黄色なので薄暗い林の中でも目立ちます
 

初めは柄も管孔もツバも黄色ですが、最後は褐色に変化します
 
担当者 北澤美代子 撮影日 2012.10.15
キノコは初心者です。名前を間違っているかも知れません。
ご存じの先輩の皆様、誤りをメールで教えてください。

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