NO.11
昭和四十年代の渋谷駅前と駅の今昔

校正:石川佐智子 / 編集支援:阿部匡宏 / 古写真収集・文・編集:岩田忠利

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                        昭和四十年代の渋谷駅前の情景



昭和40年、渋谷駅北口

昭和41年から北口駅舎を取り壊して改築工事が始まりました。

  撮影:加藤照雄さん(猿楽町)


写真左と同じ場所、現在の渋谷駅北口

2013.6.3 撮影:石川佐智子さん(日吉)






        昭和41年、北口交差点

 公園通りに西武百貨店A館を建設中です。中央の角店は薬の「三千里」。
 撮影:加藤照雄さん(猿楽町)


写真左と同じ方向、現在の北口交差点

2013.6.3 撮影:石川佐智子さん(日吉)







 都電は昭和47年廃止、三津五郎さんは昭和50年にフグで“消える”


昭和43年建国記念日、日の丸の小旗をかざして走る

撮影:加藤照雄さん(猿楽町)






 昭和43年、歌舞伎役者・8代目阪東三津五郎が

 この日、盲導犬のPRのため人間国宝の8代目阪東三津五郎丈が渋谷駅頭に元気に現れました。
 事件はそれから7年後のこと。昭和50年1月、京都南座の初春興行に出演後、好物のトラフグを食べ、肝による中毒で急逝、満68歳でした。なにしろ三津五郎さんはフグの刺身が大好物で、この日は4人前を一人で平らげたとか。

 撮影:加藤照雄さん(猿楽町)
      
          都電ターミナルからバスターミナルへ


  昭和41年、東口駅前の都電停留所

 渋谷に都電が現れたのは、大正9年(当時は市電)。以来昭和44年までの50年間、都電の姿は渋谷の駅を彩る風情の一つでした。

 撮影:加藤照雄さん(猿楽町)


   昭和56年7月、渋谷駅前のバスターミナル

 路上に車が増え、乗客はバスや車に移り、都電の経営状態は悪化。交通渋滞により身動きできない都電は、次第に“邪魔物”扱いされ、路線網も縮小していきました。そして昭和47年)11月、27系統(三ノ輪橋〜赤羽)と 32系統(荒川電車前〜早稲田)を残し、すべて廃止されました。
 撮影:「とうよこ沿線」編集室 






 渋谷川も玉電も“邪魔もの扱い”され、地上から消えました!


     昭和42年、宮益坂下を流れる渋谷川

 水量は昭和五十年代より多い。でも昭和56年のときにはすでに暗渠化され、緑道となり宮下公園へとベンチが並んでいます。
 撮影:加藤照雄さん(猿楽町)



 昭和44年5月、62年間走り続けた玉電、さようなら!

 明治40年3月から昭和44年5月まで62年間走ってきた玉電(玉川電気鉄道)は、ついに渋谷〜二子玉川園間のあの姿が消えました。翌45年には渋谷〜天現寺間も橋。
  当初は多摩川の砂利運搬で都心の建設と復興に貢献し、のち乗客輸送に大活躍しましたが、車の洪水に定時運転が困難になったこと、高速自動車道などの道路整備の進展上、昭和44年5月、渋谷から消えることになりました。
 提供:白根記念郷土文化館(東3丁目)
                    
                     
                    
東横線の渋谷駅とホーム



昭和56年(1981)、東横線渋谷駅改札口

撮影:川田英明さん(日吉)



写真上の平成25年3月15日。86年間も存続した地上駅・東横線渋谷駅、見納めの日

旧渋谷駅正面口。将来このホームム辺りを埼京線の渋谷駅ホームにする計画だとか
撮影:武井英明さん(日吉)
   
      
    
さようなら、86年間存続の地上駅!  はじめまして、新駅・地下駅!


                                平成25年3月15日〜16日 撮影・取材:武井英明さん(日吉)


              印の新駅配置図

直線距離で東へ100メートル
ほど離れた東口の「渋谷ヒカリエ」地下5階に移りました。


3月15日、いつも利用していた駅とも今日でお別れ

ホームは名残りを惜しむ人たちで、どこもすし詰め状態です。





 3月15日24時10分、標示板に「下り横浜行」の表示

 それを撮ろうと一斉に群がるカメラマン、蜂の巣を突っついたような騒ぎです。
 黄色い帽子は係員。ピンクのチョッキは脚立に乗った報道カメラマン。とにかく、86年間続いた電車、その正真正銘“最終電車”です。





懐かしい、あのカマボコ形デザインの旧駅舎





        見慣れた地下鉄銀座線の鉄橋

 地下鉄銀座線は左手の東急百貨店東横店に入り、終始発駅「渋谷」で止まります。やがてこの鉄橋も取り壊され、東口の景観が大きく変わるようです。


 3月16日(土曜日)朝

  いよいよ、きょうから東横線と東京メトロ副都心線が渋谷駅で結ばれ、相互直通運転が始まります。ニュースを見ようとテレビをつけると、やってるやってる!
 
 「早朝5:00 始発電車の発車式……。渋谷駅の新ホームで担当乗務員へ花束贈呈。つづいて東急と東京メトロの責任者によるテープカット。電車は時間どおりに出発しました」
 
 この画面を見て、さぁ、わたしも代官山駅と渋谷駅に向けて出動!

 
                
渋谷ヒカリエ、その地下5階が新駅



           えっ、行き先が“和光”?!

 日吉駅から各駅停車の渋谷行きに乗り、代官山駅で下車。取材を済ませ、次の各停電車をしばらく待っていました。来た、来た!
 おや? 「和光行」? どこ、そこは? 
 そういえば、新線は「和光行」という電車があるのだっけ。いつも見慣れた「渋谷行」の標示板、それがガラッと変って生まれて初めて見る「和光行」に頭が動転してしまったようです。そうだ、これは副都心線。池袋を越え、埼玉県の和光市まで行く電車なんだ、と相互乗り入れを改めて実感した
のでした。


  外からの東横線出入り口

後方の高層ビルが渋谷ヒカリエ。このビルの
地下5階にホームがあります。




地下1階の改札階から地下5階のホームが覗けます!

じつに斬新なデザインですね。これが、新駅の“目玉”かも。



これが、新駅の改札口です


NO.11
昭和四十年代の駅前&新旧駅“歓送の日”

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渋谷区編、終わり!