編集:岩田忠利 / 編集支援:阿部匡宏 / ロゴ:配野美矢子
NO.645 2015.05.19 掲載

 
『とうよこ沿線』No.19…昭和58年(1983)11月1日

 B5判 紙数:76ページ

 頒布:有料 定価200円
   
      参加して…

 本号デスクキャップ込宮(旧姓鈴木)紀子さんの入会手続きのお伴で来室、その彼も揃って入会。 その4カ月後結婚し、温和な彼と活発な彼女を見て指導権が注目された。が新婚旅行後、なぜか性格も逆転(!)「さすが世帯主!」の声が………。横浜市職員。


     

 白楽駅下車スグ、陽当り良好!! 六角橋

    
地方公務員  込宮 誠(妙蓮寺


 「ホラ、これ僕の撮った写真ネ。これ僕の文章。へへへ……」と、友人に『とうよこ沿線』を見せる時、快感ですね。自分は他人と違うことをしているんだという優越感に浸っちゃうんでしょうか。(タイシタコトモ、シテナイタセニ)

 つい最近まで六角橋に長年在住し、わりと珍しい苗字をもった私が、今回は白楽特集ということで、光栄にもこの欄にご指名を受けました。(ちなみに「込宮」は神奈川区神大寺の農家を本家とし、その周辺以外にはあまりない)

 さて私の実家は、地元では上町というところで、祖父母の代から煙草、菓子、雑貨の商いをしています。ご近所との接触が多いからでしょうか、六角橋はまだ下町の人情がある街だと思います。

 たとえば、祖母が亡くなると、母が店番を始めましたが、父は会社勤めだし、買物に行く者がいなくなってしまいました。我々家族は干乾(ひぼ)しになるかと思いましたが、それも杞憂でした。ご近所の方が、「買物に行くけど、何か要るものあるゥ?」って。

また今回は取材などで、学校時代の友人、親戚、先生方に協力をいただき、あらためて地元≠フありがたさを感じました。

 編集から広告までバイタリティーに富む行動と、雑学的教養の深さには定評がある。特に鑑識眼の鋭さと表現力の豊かさは抜群で、別名“評論家”。編集室の“記楽帳”に会員の仕草を解説した名文を書き、得意なもの真似とともに人気の的。

  

  ちょっと吸いこまれてみませんか


     一橋大4年  西野 裕久(奥沢


 『とうよこ沿線』を初めて手にした1年前、その頃は「大学という小さな枠から出てみたい」と、悶々としていた時期でした。だから本を手にしたとき、すぐにでも編集に参加したいと思い立ちました。

 今年1月に入会して最もびっくりしたことは、「人使いの荒さ」でした。編集長の鶴の一声で、編集の 「へ」 の字も知らなかった私が、3月には「級数はいくつかな?」と、レイアウトなるものをしていたのですから……。

 でもこれは逆に言えば、自己増殖機能の強さを意味するのではないでしょうか。表紙にもありますが、東横沿線コミュニティーをめざして≠「る現在、仲間をどんどん吸収してゆく力こそが、最も求められることではないでしょうか。

 人と人との間のぶ厚い障壁をこわしてゆくためには、編集長の飾り気のない言葉が必要なのです。来る人はだれでも吸いこんでゆく、あたかも巨大な掃除機を彷彿させるような吸引力こそが、『とうよこ沿線』を存続せしめてきたのです。

 私のあとからも、多くの人々が入会してきました。あなたも『とうよこ沿線』に、ちょっと吸いこまれてみませんか。

 編集室に初めて来たその日が、東横線で初めて多摩川を渡った日だと言う。編集室に半日いても一言か二言、不必事な言葉は発しない。それでいて“記楽帳”に文を書くと、イラスト入りの鋭い批評やユーモアあふれる文章をスラスラと。そんな行動力に富む典型的不言実行型。 
     

    『とうよこ沿線』初めて物語


    
 目黒十中2年  吉野 嘉高(都立大学


 2年前の春、渋谷駅の売店前を横切ろうとした時、題字を見るなり吸い寄せられるようにして買ったのが、この『とうよこ沿線』。それから今年の2月までは、ただの愛読者でした。バックナンバーがほしくて、のこのこ編集室へ行き、その1週間後に会員となってしまったのです。自分に何ができるのかな? と不安をいだきながらも……。

 入会してすぐ桜″の配本がありました。「売店に本を置きに行きますので」と言って、そのまま改札口をぬけるのがとても気持ちよかったことを今でも覚えています。5月には西伊豆へ取材にも行きました。すでに家で発熱していたのに無理に出かけたためか、その直後に1カ月間入院してしまい、編集室のみなさんに心配をかけてしまいました。

 まだまだいろいろなことがありましたが、僕にとって、これらはみんな初体験≠ネのです。
 もし2年前のあの日、渋谷に行っていなかったとすれば、貴重な体験をすべて損したことになります。『とうよこ沿線』という雑誌を発見したことは、とてもプラスになっているのです。
だから、このことを誇りとして、これからもがんばっていきたいと思います。


      情報の“送り手”、延べ2333名の声から

   編集の音(抜粋)

    は本号から参加した会員です。




食べ物、スポーツ、読書、紅葉などを楽しんでいたら、もう11月。冬の入り口です。冬といえばお正月の初詣、お年玉、冬遊びなどと楽しいことばかりです。あっ、期末テストのことを忘れていた。
(奥沢・中学生・数野慶久)






「里帰りはいかがでしたか」と、よく皆に聞かれます。確かにフランスは前ほど豊かではありませんが、いろいろな雑誌で言われているほどではありません。これからは『とうよこ沿線』以外の雑誌は信用しないことにいたします。
(日吉・仏語講師・丸山アルメル)





前々号まで「えんせんっ子」紅一点のなつみちやんで有名だったのに、2号たてつづけで友人(女の子)を入会させてしまった。美しい私に〇〇なS・HO子ちやん2人。花の神中3人娘としてみんなに恐れ……いや、可愛いがってもらってま〜す。
(妙蓮寺・中学生・中岡奈津美)





コレット・ダウリング著(木村治美訳)『ジンデレラ・コンプレックス』を2日で読破。自分の姿がそこにあり、共感と溜息。OA・OL・主婦と呼ばれている女性軍、ぜひご一読を。
(綱島・主婦・大石芳子)





石の上にも3年。『とうよこ沿線』もようやく4年目に入りました。でも隔月の発行なので6年経たねば石の上に乗ることすら出来ません。それでスタッフ一同、編集長のZ旗の下、一層奮励努力を続けております。
(大倉山・会社員・山室まさ)






仕事のあい間を見つけては協賛店探しに右左、不慣れな営業活動に願い求めて……。雑誌に目もくれない人、逆にじっと頁をめくって読んで話題を提供してくれる人、それぞれ。活気が感じられるのは、いつも後者の方のお店と思われるのだが‥…。
(奥沢・フォトグラファー・小椋 隆)





人に誇れるものは健康だけだったのに1カ月ほど病院通いをしました。頭が重く思考力が鈍り、取材をする気にもなれませんでした。編集室へ来るみなさんは、相変わらず元気いっぱいなのに……。
(日吉・団体職員・岩沢珠代)





はじめまして。このたび新しく会員になりました。試験中だというのに、いろんな事に気もそぞろ。枯れ葉が散ればホッと溜息、ケーキを見ればお店にとびこむ。ああ、秋なんだなあ。
(自由が丘・学生・鷲見洋子)





柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺 (子規)。隣の客はよく柿食う客だ(早口言葉)。甘柿は富有・次郎・御所・禅寺天竜坊等。渋柿は加工により、つるし柿・ころ柿・樽柿等。さては、落柿舎、渋柿隊などは?
(反町・会社員・山下二三雄)





8月・9月と編集室に通いつめた……。毎日、雑用と「妙蓮寺と祐天寺、どちらが田舎か?」論争にあけくれてしまった。くだらないことをしたものだ。今年も夏は足早に過ぎていった……。
(超都会=祐天寺・学生・一色隆徳)





はじめまして、このたび入会させられ、いえ、入会しました“花の神中3人娘”の1人です。取材、配本などできるものは、なんでもファイトでガンバリます。よろしくお願いいたします。
(妙蓮寺・中学生・福井章子)





車でよく綱島街道を走る。東京側はスムーズに流れているのに、神奈川県側は渋滞が激しい。一体どうなっているのだと思いつつ、イライラしながらも、車内で『とうよこ沿線』を読んでいる。
(元住吉・フォトグラファー・出口道和)






「うちの御主人様、最近おなかが出てきたナ――? ボク、いつも下から見ているからよくわかるんだ。今のうちにシェイプアップしないと女の子にもてないよ!」と言っているかのように、下から見上げているのはネコのミー。
(尾山台・絵画教室主宰・斉藤善貴)






8月は灼熱の太陽に汗をかき、ジンマシン。9月は季節の変わり目で神経痛。腰と脚の痛みに歯をくいしばりながら、新丸子と白楽のお店を広告募集巡礼した日々…。苦しんだ分だけ、新しい人との出会いに恵まれた。
(日吉・編集室・鈴木善子)





西の空が茜色に染まっています。編集室から眺める日吉の街は、秋もたけなわ。あの夏のギラギラした日差しが嘘のようです。「杏」、「梨」 に続いて「柿」が実る頃、今度は「松」の枝振りを工夫していることでしょう。
(日吉・会社員・辻村 功)





秋の夜はクラシック。お酒が側に少しあればさらにご機嫌。モーツァルトピアノ協奏曲第20番。淡い憂愁の感が心に沁み入る。『とうよこ沿線』を知って数カ月。好きな曲と私の出会いにも似て楽しみだ。(日吉・主婦・福原のぶ子)




♪さざん花さざんか咲いた道 かき根のかき根の落葉たき……私の朝夜(夕ではなくて)通う道は紅色のさざん花が咲き乱れ、毎年花を開く自然の生命感にひとしおであります。
(綱島・公務員・吉松孝男)






この頃クローズアップされている「森林浴」は身体に良いという噂です。これもアウトドア志向の一つでしょう。夏は森、冬は河原で日光浴なんて、どうにも天下泰平ですね。多摩川の堤防で携帯燃料使って沸かしたコーヒーは、インスタントでも結構うまいです。おすすめします。
(祐天寺・会社員・一柳 幸)




朝の東横線で、スーツをビシッとキメた、いかにもヤリ手風の会社員が『とうよこ沿線』を読んでいました。小生、ドキッとし、容疑者を追う刑事のような心境になったのは、どういう訳でしょうか。
(日吉・会社員・安田 中)





白楽の駅で下車したら、ホームに駅員が居たので「便所はどこですか?」と聞いたら、「ありません。しかし、私たちのトイレが事務室の中にありますから、改札に頼んでみて下きい」と。
 高架線工事に大金を投ずる前に、乗客に不可欠の便所くらいは作ってもらいたい。
(都立大学・随筆家・前川正男)




















 今号も特集「イラストMAP」の取材に(新丸子)・(白楽)の街をタクシーの運転手並みに走りまくり、数えきれないほど多くの店舗とそこのご主人たちに会ってきました。
 野菜・鮮魚・精肉の生鮮三品の店、各種衣料品店、理容・美容・クリーニングなどサービス業の店、和洋・中華のレストランからカラオケバーまでの飲食店……業種業態も実にさまざま、規模も千差万別。

 成功する経営者は、知恵と感性でヒト・カネ・モノを見事に組み合わせる演出家だというのが私の持論。例えば新丸子の商店街のなかにも「うーん、これだ」と唸らせる名演出家の店主さんもいるものです。
 本物の笹の葉の上にとろけるような握り寿司、小梅と青ジソ入りのうまい吸物まで付ける寿司屋さん、主人の郷里のソバ粉で手打ちソバそのものの味を安く食べさせる店、この世知辛い世の中に清潔な治療室に何回通っても無料で治療できるボランティア健康サロン……。店の姿は経営者の心と演出力の表れ、すばらしい店は数えきれないほど。

 本誌の「私の街のベスト店」は、顧客である私たちが店前を通っても気づかない、見えない一面を紹介するページでありたい。店を選ぶに当たっては、商店街の役員さんに推せんしてもらったり、お客さんに評価してもらったり、または、私たちが直接その店で食べたり、買ったり、尋ねたり。読者のみなさんがたとえ初めてその街を訪ねても安心してご用が足せるベストのお店を選んだつもりです。

 さあ、この日曜日、「『とうよこ沿線』を読んで来ました」と一言いって、ノレンをくぐってみてください。
(本会代表・編集長・岩田忠利)

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